それ自体がひとつの商品となり、ファンサービスとして提供され、
戦力均等、年俸高騰阻止などの名目を置き去りにした独歩は勇ましい。
FA制度が出来、特定球団への偏った人気がなくなり、
海外移籍や海外デビューさえも視野に入る現代で本来の目的は全く機能しない。
しかもプロは金で強くなってもよく、海外へ移籍する選手は破格の金額が提示される。
こんな状況で契約金や年俸高騰阻止など意味をなさない。
ドラフト制度の現状だ。
さらに、金をかければ必ず勝つわけではない。
ちょっとしたアクシデントですぐに選手としての実力はそがれる。
そして評価が低くともなにくそとエリートを負かすことが珍しくないこともしょっちゅうだ。
金は自チームを強くするというより、相手の戦力をそぐこの方が意味が大きいだろう。
どうせグラウンドには9人しかいない。
まして野球の勝敗はピッチャー次第という特殊性がある。
自分を生かすに最適のチームを選べなければ、当然NPB以外にも選択がある
現代では不要だ。
チームやファンにとっては毎年のことでも選手にとっては一生に一度のことだから
抽選なんかで決められてたまるか、と憤慨して当然。
だから今はファンへのドキドキを提供する商品としての価値しかない。
プレーを見せるわけではないのにスポンサーがつき、多くのお金が動く派生商品。
それはドラフトがこれまで多くの人間ドラマを生み出してきたから価値が生まれた。
番組は無数につくられ、何度も振り返られ、雑誌や新聞はネタにでき、
単行本は多数出版される。
江川のドラフトも、冷静に考えれば、互いの引き合いを無視した制度が
生み出した悲劇だ。
せめて、指名したチームの名が入ったBOXに選手自身が手を入れ選べば、
まだ納得できるだろう。
指名は今日で、抽選は本人に明日引かせてあげたらいいのに。


