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カットマンの中継 美しいホームクロスプレー 打者の目線と観客の目線 高知商の商業利用 今週のダイジェスト

2019-1-21 外野からの返球はカットマンの頭の上 外野手の重要性Ⅳ

もう1つはサヨナラの場面だ。この時は他のランナーなど関係ない。1点獲られてしまえば、そこで試合終了なので3塁ランナー以外の進塁を気にするより、とにかくホームを踏ませないことが絶対条件になる。そこではランナーを気にせずにバックホームしていいのだが、こんな緊迫した場面でも定位置より前は基本、カットマンの頭の上に投げる。こうすることを練習してきて、これがランナーを刺すに最も最適だからだ。しかし、定位置より後ろの打球には3塁ランナー以外は一切気にせず、ダイレクト返球していい。

 

2019-1-22 外野の返球は基本、カットマンの頭に強い球を放る

セカンドをカットマンに使わず、ショートを使う場合がある。ショートは一番送球の多いファーストへ投げる場合にも距離があるので必ず肩の強い選手が務める。ショートをやる選手はチーム1のハイセンスな運動能力を持つ選手が多い。ピッチャーとショートを兼任する選手は多い。だからこの選手を常にカットマンに使うという戦略が戦力に限りがある高校生の野球までにはよく見られる。プロは選ばれた選手が集うので、こういうケースは少ないが、プロでもショートが深い打球にはカットに走る戦略をとるケースがある。

 

2019-1-23 美しいホームクロスプレーの時間 野球の最大の醍醐味

この時にショートが見せる本気の返球により、ランナーを刺すプレーには嘆息が漏れるほどの美しさがある。例えばホームでのクロスプレーであるならば、ランナーは基本、ホームに視線をやり、全力疾走している。目で捉えていない外野で起きている中継プレーは遥か彼方の出来事だ。外野手は打球を拾うことに懸命となり、とにかく短時間で中継へと返すことを目的とする。それを受けたショートの強肩は腰を沈めたバックホームで凡人が放るボールとは明らかに勢いと回転の違う、いわゆる伸びる球を見せる。凡人なら失速するだろうと思われる地点に来ても、球は沈むことなくキャッチャーミットを目指す。そしてキャッチャーミットへ吸い込まれるその返球が描く球筋の美しさに敵味方関係なく感心の「オーッ」という、ため息にも似た魅了された声が球場を包むことになる。

 

2019-1-24 打者の目線と観客の追う視線のアンバランス

この1塁側へ指さすシーンの時、たとえば1塁側からのカメラが喜んでいる打者にフォーカスする。その後ろには3塁側の客席が映る。この瞬間、観客は打球の行方を追っている。「行くか?」とか「あっ行った!」という表情で、まず100%近く打球を追っている。相手ベンチ上だが、ホームランを打った方のチームを応援している人もいる。だから、万歳しながらや笑顔になって打球を追っている顔が皆、同じ目線で映ることになる。ところが、すでにホームランを確信している打者は味方ベンチを指さしているため打球を追うことはしない。だからここを捉えた一瞬は、歓喜の瞬間で打った打者も観ている客も笑っているのに見ている先が違うというアンバランスというか、雑多な風景になり、とてもおもしろい。

 

2019-1-25 高知商の日本学生野球憲章に抵触するとされる行為

それにしてもこれが商業利用といえるのか。このイベントは500円が入場料ということだが、500円程度の入場料で高校生のイベントなどその収入はたかが知れているだろう。それならば、場所代などの経費の分担という程度で営利を目的とはしていない。それまでも商業利用と言えるのだろうか。高岡商の野球部員のユニフォーム姿の付加価値に500円のうちのいくばくかが含まれているようには思えない。どこのメディアでも言っているが、気をつけて下さいね。で済む話だ。

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