明治神宮大会は、高校の部で早実と履正社の決勝が今日行われる。
大学の部は、ベスト4に明治、上武、日大、桜美林と、まあ順当な勝ち上がりだ。
昨日は、ハズレ1位5球団競合の佐々木が登場した。
8回1死までノーヒットに抑え、記録を意識してきた8回に代打の1年生にクリーンヒットを許した。
本人は、意識しながらも点差があったので力まず投げていたようだ。
相手打線を飲んだ投球でつかまる気配は、まったくなかった。
佐々木は今シーズンのリーグ戦で7完封し、菅野の記録に並んだ。
さらに、この明治神宮大会出場を争う関東地区大学選手権という大会でも好投し、
チームを初めて全国大会へ導いた。
これからが真価を問われる。
佐々木は男前だから、1軍で常時投げるようになれば、人気も出ることだろう。
プロとアマチュアでは環境がまるで違う。違いがたくさんある上、プロの打者はレベルが上がる。
1番から9番まで大学の主力打者よりレベルが上がるのだ。
大学生の打線は、気をつける打者はわずかだ。そこだけ慎重になればいい。
小柄な打者は基本、打ってこないのでストライクを楽にとりに行ける。
たとえ打たれても長打にならないからさほど怖くない。
そして、抜けた球も勝手に空振りしてくれる。
これが、プロに行くとスイングスピードが速くなるので大学生より呼び込んで打つことになる。
すると際どいコースを見極められたり、ファールにされたりする。ストライクゾーンも狭くなる。
これにより球数を放らされ、失点するケースが増えてくる。
スイングスピードの少しの差、飛距離の少しの差が結果をみると勝てなかったり、失点につながったり
雲泥の差となってあらわれる。
昨日の試合では
普段は、立たないバッターとしても打席に立ち、右中間に放り込んだ。
ピッチャーとして下半身を鍛えているので、普段素振りなどしなくとも
決め打ちして、フルスイングすれば、スタンドインすることなど楽勝だ。
佐々木は高校時代2年生から4番打者なのだから。
日大三高相手にホームランを打った実績もある。
佐々木は、この先プロが待っているが、大学4年間でプロから指名を受けるまでに成長した。
その大学での最後の大会となり、長くてもあと2試合となった。
今日の試合、連投はさせられないだろうが、有終の美を飾るべく楽しみ渾身のプレーをするだろう。
ところでこの試合、雨が降る中、1点を失った8回にチェンジとなって、
失点した悔しさからか考え事をしていたのだろう、ロジンをポケットに入れたままなことを忘れて
ベンチに帰ってしまった。
1塁の線を跨いだあたりで、そのことに気づき、
おっと、忘れてた。返さなきゃとマウンドへ戻った。
マウンドでは、プレートを掃いてボールを持っていた塁審がピッチャーがやってきたから
勘違いして佐々木にボールを渡した。
佐々木は、いやいやちがう、ロジンを返しに来ただけ。
うちは今チェンジして今度攻撃の番だから。と言わんばかりに戸惑いながら塁審をうかがっていた。
塁審は、意に介さずそのまま定位置へと走って行った。
佐々木は仕方なく受け取ったボールをマウンドへ返し、ロジンも返し、
またベンチへ戻るという微笑ましい光景。