イチロー自身が、前向きなのだろうか。
イチローは、2回目が終わった時点で3回目はないな。と思ったそうで、
その通り第3回は、出場していない。
第3回大会は、イチローのみならず、MLB所属の選手が皆、大事な時期であり、
だれも参加しなかった。
結果、メンバーは小粒となり、苦戦の連続で予想通り負けた。
イチローが参加すれば、
今の代表選手は、イチローの日本でのプレーを同じグラウンドで見ていない選手ばかりなので、
刺激を受けモチベーション向上にはなるだろうが、
この大物が入ったら先発で使わなきゃいけないばかりか、使う側はとても気を使う。
たとえイチローが活躍したとしても同等以上の活躍が見込める若手がいる中、
イチローを呼ぶことは、相当なリスクがある。
そのWBCに、先日の日本代表強化試合にもメンバー入りしていた秋吉は、
都立出身で初のWBC日本代表選手であり、初の1億円プレーヤーだそうだ。
おもしろい記録を見つけてくるものだ。
秋吉の球歴を紐解くと、足立区に生まれ、小学生時代は地元の野球チームに所属し、
中学校も足立区の公立中の軟式野球部と足立区のクラブチームに所属し、
高校は都立足立新田高校といわゆる普通の野球っ子の球歴だ。
奇しくも、今年、都立校出身初のドラフト1位誕生となった桜美林・佐々木も同様だ。
日野市出身からずっと地元で野球をやってきた普通の野球っ子が、日野高校から桜美林大
と進み、開花させた。
足立新田も日野も、最近の東京では都立の強豪として毎年のごとく躍進している。
秋吉は、高校時代、秋の大会でハンカチ斉藤を擁し、のちに全国制覇する早実に
1-3と接戦で敗れたそうだ。これが大きな自信になったとか。
ちなみに斉藤は、夏の大会ではこれまた都立の昭和高校に1点差の接戦で辛くも勝利している。
薄氷を踏みながらも全国まで進み、稀代のアイドルとなり、
以来10年売れ続けている斉藤のプロデュース力は、見事だ。
どこかでちょっとでも狂い、敗けていたり、怪我していたり、不調に陥ればこのアイドルは生まれていない。
人の運命はおもしろい。
都立校出身で初ということが続いた今年だが、
こういったことはピッチャーの方が起きやすい。
野球はピッチャー有利ではじまり、ピッチャーのポジションは多く用意され、
仕事ができる場があるからだ。
トヨタカップに日本のクラブチームが残った。
わざわざ、トヨタカップという表現にしたのは、一昔前のクラブワールドカップは、
トヨタカップであり、ヨーロッパのスターと南米のスターが日本にやってくるということで
とても珍しがり、大観衆を集めるビッグイベントだったからだ。
今もビッグイベントだが、情報が少なかった30年前くらいのトヨタカップは、観る方も
緊張の度合いが高かった。
クラブの世界一を決めるという位置づけのこの大会は、
ヨーロッパチャンピオンと南米チャンピオンが戦うのだが、ヨーロッパや南米で開催すると
熱狂したファンが殺し合いにまで発展してしまった。
これを避けるため、中立で経済的にも先進国である日本が選ばれ、トヨタがプレゼンツしたので
トヨタカップとして日本では定着した。
これに、日本のチームが優勝をかけて戦うなどトヨタカップ時代はあり得ないことであり、
クラブワールドカップとなってからも、所属していた海外のチームが、出場して運よくその時、
在籍していたカズが初めて日本人として、その舞台に立つこととなり、騒いだ。
これは、たまたま在籍しており、運が良かった。
この時でさえ、日本人がついにプレーできる時が来た。と話題になったものだ。
それが、今回は日本のクラブチームがその舞台に立つ。
昔だったらもっと話題になりそうだけど。