野球はあの硬い球を人に向け投げ、木の硬い棒を人の顔近くで振り回す。
高校生以下については金属だ。
危険だらけの競技なのだ。
試合では1つのボールしか使わないが、練習では同時にいくつものボールが飛び
交い、方々でバットが振られる。
真後ろでキャッチボールをされていても、真横でバットを振られていても、
お互いの技術と良心に信頼して、それが自分の身体に当たるなどとは思わずに
気にしない。
野球は、多くの道具を使うので大変お金がかかる。
世界一人気があるスポーツと思われるサッカーは、ボール一個あれば競技が
できる。
個人でそろえるべき道具もスパイクくらいで、あとはチームでユニフォームをつ
くるといったところだと思う。
そのユニフォームも身に着けるのは数点だ。
野球は、グラブにスパイク、ユニフォームもソックス、ストッキング、
アンダーシャツ、上着、スライディングパンツ、ズボン、帽子、手袋など多い
上、バット、ボールやキャッチャーのレガースや他にもまあ多いものだ。
とくにボールは一個の値段が高い上、いくつも必要であり、すぐにボロボロとな
る。
さらに練習するには広さが必要となり、防御ネットも必要となってくる。
サッカーも広さが必要だが、技術を磨くにもボール一個あれば家の前の道路でも
可能だ。
サッカー大国のブラジルやアルゼンチンから生まれる名選手が、小さいころは
貧しくてひとつのボールやシューズをボロボロになるまで使い、ボコボコの空き
地や道路でプレーに興じてうまくなったという話はよく聞く。
野球にお金がかかるのは、あの硬いボールを扱うことにある。
硬いボールを打ち返すために固くて重いバットを加工しなければいけなくなる。
グローブも同様だ。
キャッチャーの防具や防御ネットも硬いボールから身を守るためだ。
つまり、危険な競技なのだ。
しかし、この危険な競技であるのに練習の際は真後ろでキャッチボールをされ
真横で素振りをされても笑顔でいられる不思議な空間がそこにある。
実は野球ほど恐ろしい競技はない。


