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少しでも気が狂ったら

危険な競技であるのに練習の際は真後ろでキャッチボールをされ真横で素振りを

されても笑顔でいられる不思議な空間がそこにある。

実は野球ほど恐ろしいスポーツはない。

2026-5-4 良心と技術に頼る野球 危険がいっぱいの野球

 

人同士が傷つけあうあの格闘技でさえ武器を持たないことが基本なのに。

 

ボクシングは、素手では、殴る方も殴られる方にも危ないのでグローブをする。

最も危険とされるアルティメット、総合格闘技もオープンフィンガーグローブを

する。


剣という武器があったら防具を用意する。

フェンシングは誰だかわからないほど体を防具で守り、剣道も重装備だ。

 

このボクシングや総合格闘技で用意するグローブ、フェンシングや剣道で使う

防具の両方を必要とするのが野球だ。

身体を攻撃することを目的としていないのに、なくては困る。

 

金属バットを道端で振リ回して歩いていたりしたら誰も寄ってこないし、即通

報、検挙だ。

ところが、グラウンドという仕切りのある空間に入った途端、違和感は全くなく

なり、危険という感覚もなくなってしまう。

 

グラウンドでは、目の前であの凶器にもなる金属バットをほんの1メートルしか

離れていないところで振られても笑顔でいられるほど。

 

キャッチボールは、硬いボールを胸や顔面めがけて投げ合う。

守備では、バウンドが変わるかもしれない速い打球をキャッチしなければいけな

い上、キャッチできなければ、体で止めろと言う。

どこに向かうかは、ボールに聞かなきゃわからないのに。

 

送球を捕る際には、向かってくる球に視線を置きながら、視線を向けられない足

には鉄の刃のついたスパイクでのスライディングが迫り来る。

 

打者は、投球が自分に向かって投げ込まれる。

野球選手でデッドボールの経験のない人間はいない。

それでも、打者はそのボールに向かっていかなければ打てない。

 

実際に投球が当たり野球人生を縮める例はいくつもあり、打球を頭に当て野球人

生のみならず命そのものを落とすことさえいくつもある。

 

デッドボールで投手に与えられるペナルティはたったのワンベースだ。

頭にぶつけても退場すればいいだけ。


これが、出場停止や追放、はたまた10点献上のようなペナルティならデッドボ

ールはピッチャーにとって重罪な事という位置づけになり、もっと細心になるこ

とだろう。

 

練習中は、方々でボールが飛び交い、グラウンド内の人たちの技術が信用できな

ければ、いつボールが襲ってくるかと気が気ではなくなるだろう。


全ての行為が、相手の良心に全権委任するという恐ろしい競技なのだ。

 

良心がなければ、少し気が狂ったら、簡単に人を傷つけられる。

もし、殺人の意思があったら完全犯罪が成立してしまいかねない。

 

グラウンドの中なら、わざと人にボールをぶつけてもバットをすべらせて頭を狙

っても偶然で片付けられる可能性が大いにある。

意識するとつくづく恐ろしい。

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