先月、決勝が行われた全国高校サッカーは最後の国立での大会だったそうだ。
富山第一や星稜、四中工となじみのある強豪がベスト4まで残った。
しかしその前の年のベスト4は、どこが勝っても初優勝という新興の躍進があった。
近年の高校サッカーは群雄割拠。
勝ちあがるチームに聞かない名前が多く、優勝チームもころころ変わり、初優勝チームも多い。
代表チームも、かつての常連が名を連ねることも少なくなってきている。
東京では都立高校が常連校に互角以上の戦いをし、代表になることも珍しくない。
この理由を考えると、
一つ、ユースがあるので高校のサッカー部でやる以外の選択肢がある。
そのため、選手はばらける。
一つ、実力差ほど点差が開かない。
サッカーの特性として実力差があっても点差に反映されないことがよくある。
私の高校時代のサッカー部は
最後の大会でその年の選手権で全国制覇していた王者・帝京に延長で0-1での敗戦だった。
私の高校は東京都立高校だったので選手は一般受験をし、
サッカー部はたまたま入学したサッカー好きで構成されるいわゆる普通の高校なわけだ。
それでも結果は延長1点差の惜敗だ。
しかし、試合は終始、帝京ペースでこちらはほとんどシュートを打てず、勝てる雰囲気はなかったが、
結果だけ見れば互角の戦いということになる。
ワンチャンスをものにすれば、実力が下でも勝っちゃうこともよくあるのだ。
一つ、体格の差が実力の差にならない。
サッカーは体格が劣っていても技術でしのげる可能性がある。
全国の高校サッカーでも注目選手で170センチそこそこ体重も60キロ切るような選手がいる。
高校生の平均体格から見ても平均以下。
メッシやマラドーナも身長は一般男性よりも低い。
世界を席巻していたスペイン代表やバルセロナの選手も小さい選手が多い。
海外で活躍する香川、乾も小さいし、大前にいたっては高校時代からことさら小さい選手だった。
野球ではこんなことはありえない。強豪チームはまず体格がいい。
体力が技術を凌駕するし、うまくなり強くなるためには体格をよくすることが条件となる。
したがって、体格で差がつかないサッカーは、練習次第で強豪校に対抗できることになる。
以上の理由からサッカーを志す場合は、子供の頃実力が劣っていても、若い頃実力が劣っていても、
体格のハンデが勝負の条件にならない分、逆転できる可能性が大いにあるスポーツだと言える。