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続・クイーンズ駅伝2015

先々週、女子駅伝について記した。

その内容は2015-12-16のコラム 。

 

マイナースポーツで支援が受けにくい中、

命を懸けるとまで宣言して、取組むプライドを持った選手たち。

 

その中で、

ひときわ、実力と面構えに惹かれた選手がいた。

 

日本郵政に所属する鈴木だ。

 

日本陸上界のホープとして

すでに、陸上界では名の知れた選手であるが、

私が知ったのは最近だ。

 

しかし、その走る姿を見た瞬間、

大変な逸材だと感じた。

 

フォームの安定と足の回転、バネも兼ね備えた走りだ。

 

他の女子の走り方とは全然違う。

 

女子でこれだけの走り方ができるのは、おそらくいないだろう。

走り方だけみれば、高橋尚子より才能があると感じる。

 

長距離ランナーでありながら、バネがあるので

短距離を走っても速いに違いない。

 

天才といわれる彼女だが、

その走りを見れば、これは天才と言っていい。

これに身長があれば・・

 

昔、「女瀬古」と言われたのは、増田明美だったが、

鈴木の方が、この形容があてはまる。

 

瀬古は、完璧ともいえるフォームと

マラソンランナーでありながらトラックでも通用するスピードがあった。

 

42キロを走ってきたあとの100mでも11秒台で走るスピードだそうだ。

 

したがい、瀬古のレースは、とにかく先頭集団にくっついていき、

最後のトラックの直線で相手を突き放すというものだった。

 

鈴木はこの駅伝で

各チームのエースが激突する3区を走る。

 

21位でタスキを受けると5人を抜き、

最後は、日本の中・長距離を長く支えてきた

福士にさえ迫った。

 

ただ、この3区、外国人は走れないそうだ。

外国人は4区のみ走ることを許され、

さらに

鈴木のタイムは区間賞ではなかったそうだ。

 

この大会では、NO.1ではなかったことになる。

 

鈴木は、疲労骨折で足を2度、痛めている。

腰の骨を足に移植するほどの大手術をしているそうだ。

 

ランナーは、この疲労骨折が宿命だ。

しかも、同じ個所ということは、自分を伸ばそうとすればするほど、

ここが悲鳴を上げる可能性がある。

 

おそらく、

鈴木のたぐいまれな身体能力、

つまりバネや走り、スピードのおかげで足の骨がついてこれなかったの

だろう。

 

能力のある選手ほど、怪我のリスクが高いという

皮肉なアスリートの宿命だ。

 

ガラスの足となってしまった鈴木だが、

あの走りには惚れる。

 

 

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