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競馬の認識

サラブレッドは日本語で書くと優駿と書く。

 

競走馬は走りたいから走っているだけなのだ。

 

競馬では闘争心のある馬とか勝負根性がある馬という言い方をして

さも馬がレースに勝とうとしているかのように擬人化して表現するが、

勝とうと思って走る馬はいない。

 

こう表現した方が、伝わりやすく、競馬に興味をもたせやすく、

競馬にのめりこんでくれるからだ。

 

競走馬というのは人間が強制して配合する。

走る能力の高い馬同士から、さらに走る馬を生ませようとする。

 

そのためアテウマという馬も存在する。

野球用語にもアテウマがあるが、

強制配合したい2頭の馬が、うまく繁殖できるように

まず、別の馬が発情させるためだけに近づいていくのだ。

そして発情すると目的の馬が近づいて繁殖するというもの。

 

競走馬は配合に始まり、走ることも全て強制、管理されている。

 

走る時間、走るスピード、走る場所、と人間の強制だ。

 

だから、強制がなければ、好きな時間に走りたい時だけ走ることになる。

そのため強制から解放される放牧というシステムがある。

 

リフレッシュのために、競馬のない夏場、すずしい北海道の

牧場で解き放たれ、好きに走らせるのだ。

競走馬はもともと走ることに長けているので、放牧になると好き放題

走りまくる。

 

犬も喜ぶと尻尾を振って、駆け回る。

あの感覚だ。

 

しかし、この放牧だとレースに必要な走りを獲得することはできない。

そこで、人間が管理し、レースに必要な走りを覚えさせていくことになる。

 

ムチで走らせる行為も、人間はムチでたたかれれば痛いので

馬にも痛い思いをさせて走らせていると誤解されるが、

あのムチは馬にとっては痛くない。

 

ただの合図で、たたかれれば、全速力で走るように教え込まれている。

 

こうして競走馬はただ単に人間に強制されて走っているだけなのだ。

コースを決められ、走る時刻と時間を決められ、全速力すべき時も

強制されているのだ。

 

したがい、勝とうと思って走っているわけではないのだ。

 

前に馬が走っていると抜かそうと走る馬のことを闘争心がある馬と表現するが、

これは単に別の馬が走っているから自分も走ろうとする性格なだけ。

もしくは、仲間が走っているから楽しくて、一生懸命走っているだけ。

 

レースに勝てない馬も能力が劣るとは限らない。

レースという決まった時間にたまたま走りたくない気分だったから

人間に走れと言われても気が乗らないだけ。

もしくは、多くの馬と走るのが嫌で後ろからついていきたいだけ。

 

馬はレースに勝とうと走っているわけではないが、

競っているように見せないとファンが増えないからそうしているだけ。

競馬に携わってきた私は知っている。

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