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フェラー アスリートの競演 世界陸上

during the Glasgow Indoor Grand Prix at Emirates Arena on February 20, 2016 in Glasgow, Scotland.

先日の世界陸上。

 

走る、跳ぶという行為は万人が行う。

だから、この行為の頂点を決める陸上世界大会は、

アスリートの競演という言葉が、ぴったりだ。

 

これが、野球選手なんかは、

暴飲暴食しても、一睡もせずグラウンドに来ても

ホームランを打ったり、結果が伴ってしまったりする。

 

それは、道具の力を借りてやるスポーツだからだ。

 

陸上競技という己の肉体の連動の成功にのみ、

結果を託すスポーツにはこんなことはありえない。

 

競技の瞬間に照準を合わせ、ピークがぶつかるよう

ずっと前から調整する。

 

人間の肉体の可能性を体現してくれる陸上、体操という選手にこそ

アスリートという表現があてはまる。

 

また、各競技に適して作られた体が見事だ。

 

短距離なら、脚のみならず上半身も筋骨隆々。

そして、プリッと上がったヒップと筋の通った脚線美。

 

長距離なら無駄な肉は一切ないといわんばかりに

そぎ落とされた体。

 

高跳びの選手は一様に脚が長く、長身。

 

人類の運動能力の限界を追究するために、出現した

まさにアスリートたちだ。

 

トラック長距離で圧倒的な強さを見せたモハメド ・ファラー。

 

まったく余計な肉がついていないこのアスリートは、

世界中の強者が、マークして、倒してやろうとしてくるところに

スローペースの展開を、自らそのペースを打開し、

直線のスピードで2位以下の選手を圧倒した。

 

見事な勝利で、ボルトの短距離以上に

トラック長距離では敵がいない存在だ。

100mや200mはセパレートになっており、自分の走る道が用意されている。

 

長距離になるとみんな内側の経済コースを走りたがるので

ポジションどりも勝負の内だ。

 

また、ハイペースやスローペースのレース展開により

スピードを生かせる選手や持久力を生かせる選手がそれぞれ台頭し、

また駆け引きとマークする選手という各レースごとに内容を異にする。

 

だから、単純に走るスピードや持久力、タイムの良し悪し、

だけで勝負は決しない。

 

まして、連勝を重ねるフェラーは全員からマークされるので

彼のペースにはさせない、彼の自由に走らせないという作戦が

他の全員の頭にある。

 

同じ国同士で、フェラーを囲い込み、抜け出せないようにする

作戦もあろう。

 

その中で、この強さはボルトのようなスターだ。

 

 

そして、やはり最も注目を浴びたボルト。

 

この大会前のボルトは、数か月前まで

200m20秒台と目を疑うような記録だった。

 

けがや調子を崩していたというわけではなく、

本人が

「なぜかわからない」

と言うくらいだから事は深刻に思えた。

 

その事を話題にしたのは

コチラ→『ボルト出陣
コチラも→『移動に最適なつくりの男』

 

そして、そのボルトの復活については、また次回。

さらに、多くの人間が注視したあの大事件についても次回。

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