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被害者が早々にプレーに復帰してくれたおかげで、廃部は免れそうだ。
半身不随や命を落としていたら、事は今のような状態では収まっていなかった。
そしてそこまでに至らなかったから、伝えられる様子は日大組織についてであり、
焦点は、辞めるとか出てきてしゃべれとかばかり。
被害者への目は置き去りだ。
これを話題に取り上げるなら、常に一言、関学大の選手の現状を確認してから進めるべきだろう。
そもそもの問題は、日大組織の話ではなく、スポーツの中で傷害事件が起きたということなのだから。
悪質タックルがあって以来、スポーツにおけるルール無視の大惨事を記してきた。
先週は、格闘技での秋山の傷害事件を記した。
それはコチラ⇒2018-6-3 ハナから相手を傷つける格闘技でルール無視の大惨事 日大アメフトのルールを逸脱した暴力行為
だが、この時の秋山は逮捕されることなく謹慎処分が下り、その後はまた、リングに上がることが許された。
まったくもって納得いかない裁定だった。
そして、この大会を主催したK-1は、秋山に謹慎のペナルティを課しただけで、
自らを律することはなかった。
主催者側は格闘技という命に直接かかわる興業で、ルール違反を見逃したという醜態をさらしている。
秋山と同じレベルで罪がある主催者は、誰にも指摘されないのをいいことに、
秋山への謹慎処分くらいで幕引きをはかった。
一方、悪質タックルの方は長い時間、世間の注目を浴びいまだに収束せず、今は日大の組織体制に
注目が移っている。
秋山の件もルールを無視して暴力を働き、それを管理、運営する組織が当該選手のみへの責任押しつけと
様相は似ているが、取り扱い方がまるで違う。
なぜ違いが出るのだろう。
一番の大きな理由は、格闘技だから話題にならなかったということだろう。
格闘技は、そもそも相手を殴ったり、蹴ったり、相手を痛めつけることをルールとしているから
その中で、実はルールを無視した暴力行為なのに、一連の行為とみなしてしまうわけだ。
傷害事件と言ったって、そもそも殴り合いの世界での話でしょ、となるわけ。
一方、アメフトの方は、アマチュア学生スポーツの中で起きたということと、
最大の関心事は権力者が指示したことで起きた可能性があるという猟奇性によるのだろう。
そこで、この問題を追っていくと、
加害者である日大の対応に誠実さがない、部内の封建さが浮き彫りになる、
といったことで、さらに関心に拍車がかかった。
同じ傷害事件で、事実は一緒でも、背景が違うと取り扱い方が全く変わる。
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