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春場所は静かに通り過ぎて行った

千秋楽横綱相星決戦は約7年ぶりだったそうだ。

本来は、毎場所とまでは言わずとも、頻繁に起こっていいはずだ。

横綱同士の相星決戦。番付という格が厳存とされる世界なのだから。

阿武咲が全勝で来ていた白鵬に土をつけた。

阿武咲は中学生の頃、白鵬杯という少年相撲大会で優勝しているそうだ。

その白鵬に何年越しとなるのだろう、天下の大相撲で恩返しの一番となった。

この一番、横綱としての禁じ手かちあげを攻略しての完勝だった。

話題としては、いつも通り多くあったはずだが、春場所は静かに通り過ぎて行ってしまった。

 

これまでの横綱は胸で受けることが当然だった。押し相撲の横綱は胸で受けないとしても、

奇襲や荒業を立ち合いで見せるということはなかった。まあ、張り手はあったけどね。

白鵬は胸で受けることはなく、待ったも平気でする。相手が張って来られないことがわかっていて

張り差しに行き、悪びれることなくかちあげ、と言うより顔を肘で殴りに行く。

明らかに横綱相撲をしていない。

 

横綱相撲で思い出される千代の富士が寺尾をたたきつけた一番。

顏を張られた千代の富士が頭に血が上り叩きつけたとされることが一般的だった。

ところが、見返してみると横綱として寺尾のスタイルである突っ張りを堂々胸で受け、

まわしを取ったら、しっかりとその実力差を見せつける、いわゆる横綱相撲に徹したのだった。

横綱としての威厳を示したと見ることができる。

 

このとき、やりすぎだとかいう評もあったらしい。

後からやりすぎなど、どうとでも言える。

横綱の威厳を示したとも見えるし、怒りに任せた短絡ともみえる。

しかし、一瞬でその判断をし、勝負の世界であとから冷静に言っても仕方がない。

それは、横綱の威厳だ。

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