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凡打とは

打者の一流を示す数字に3割がある。

プロの世界ではレギュラークラスであればシーズンを通して3割を打つと一流とされている。

 

ピッチャープレートからホームベースまでの距離18.44Mに投げられる球が、

バットに当たりバウンドして野手が捕り、1塁へ送球されるより早く、

打者として1塁へ到達する打球を打つこと、

もしくは、

野手の頭を超えスタンドインさせる打球を打つこと、

この二つの技術が3割以上できる打者。

が、1流という定義になるのか。

 

一般にはバットの芯に当て、

内野手の間か、その上を越し外野手がノーバウンドで捕ることができない打球を打つ練習を重ねる。

 

ホームランが打てる打者は角度をつけて

スタンドまで運べる練習(トレーニング)をする。

 

足の速い打者は、

これらに加えて内野手の前にゴロを転がし、

内野手のフィールディングと1塁への競争に勝つ練習をする。

 

打者の1流を目指すのはこんなところか。

 

それでは失敗が許される7割はどういうことか。

 

私は、7割は次の4つに大別されると考える。

 

ひとつは手が出ないほどのいい球。

もしくは手は出せたがとうてい打ち返すことができない球が投じられた。

 

要するに完全に投手の力量にやられたという場合だ。

 

これは今まで見たこともない、

いわゆる経験したことのない球が当てはまる。

 

プロで経験を重ねると、

こういう球にはほぼ出くわすことがなくなると思うが、

 

たとえば、

高校野球のようにレベルの差が激しい世界では

レベルの高い投手に出くわしたとき、このような球に出くわすことがある。

 

桑田と同級生で名球会入りしている元・日ハム田中(都城高校)は、

高校時代、

「桑田の球は真っ直ぐは速いし、

カーブは頭に当たるかと思った球が外角低めに決まっていた。」

と驚いていた。

 

また、プロでも新人などは初めて見るプロのボールに

このような球に出くわすことがある。

 

新人の松井が

オープン戦でひとつ年上のヤクルト・石井のスライダーを

完全に体にあたると思い驚いてよけたところ、

ド真ん中に決まったということが有名。

 

このような球が、

完全に投手にやられた球ということになる。

 

他の表現であらわすと

見えない球、

わかっていても打てない球、

狙っているのに打ち返せない球のことだ。

 

藤川の火の玉ストレートは狙っていても打てない球と言われ、

佐々木のフォークは人間の動体視力ではとらえることは不可能

と言われた。

 

打者が打ち取られる4つのうち

ひとつがこのような球が来た時だ。

 

他の3つは次回以降につづく。

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