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盗塁の技術ⅴ

盗塁の技術についてのつづきを久々に。

 

以前の内容はコチラ→『盗塁の技術』 『盗塁の技術Ⅱ』  『盗塁の技術Ⅲ』  『盗塁の技術Ⅳ

 

盗塁における2つ目の要素である走力について

 

陸上短距離の選手はスタンディングから百メートルを

何歩でまとめるかを練習で体得する。

 

百メートルの加速時の姿勢、トップスピードの時のフォーム、

減速時の走り方を研究し、100分の1秒を縮めることに腐心する。

 

たとえば

スタート直後は下を向いて走る。

加速後も足は、あまり上げずに腰を地面に平行に移動させるイメージ、

着地は足の裏全面で着地するフラット着地、などの

走り方が最近では浸透している。

 

昔は、ももを高く上げ、つま先で着地して、蹴りだし、跳ねるように

走ることが常識とされていた。

 

人間の走りは、

トップスピードは40M~50Mあたりだそうだ。

それを過ぎてからゴールに向かうにつれ、減速する。

 

つまり

トップスピードをいかに維持するか、

また、

トップスピードに到達するのを少しでも早くできないか、

そして、

減速をどう少なくするか、

はたまた、

スタートダッシュと加速時で人より貯金できないか、

 

これらを自分の肉体と相談し、最も効率よく、

そして100mを移動する時間を短くする。

 

これがまとめるということ。

 

トップスピードが誰よりも速い必要はない。ということになる。

 

ベンジョンソンは、スタートが爆発的に速かった。

号砲とともに飛び出し、体何個分も他の選手より飛び出していた。

 

だから、

単純に100メートルを走っているスピードは、

世界一というわけではなかったのではないか。

 

世界最速の男の称号は、

ただ、走ることが速い人、トップスピードが人類最速、

である必要がないのだ。

 

ベンジョンソンはクラウチングスタートの恩恵をうけたと言える。

または、自分の肉体をクラウチングスタートというルールに合わせ、

世界一を勝ち取ったとも言える。

 

このように、専門家は100分の1秒の争いを研究する。

 

それに対して盗塁は、そこまで研究されていないのではないか。

 

選手の勘とコーチの経験に頼ることが多く、

科学的に3要素を研究していないのではないか。

 

盗塁という、

ゲームの局面を変える技術は、科学的に研究するべき分野だ。

 

鈴木のように走ることだけで客を沸かせ、

塁にいるだけで、味方打者を有利にさせ、相手には脅威を与える選手がいるくらいなのだから。

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