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今年の夏を盛り上げた高校3年生の高校野球は、国体を残すとはいえ区切りがついている。
興味はドラフト、進路へと移行する。
こんな記事を目にした。
この記事にある多くの事をこの場では、かつてから指摘している。
まず、
「(オープニングランドのアメリカ戦では)27アウトのうち23奪三振でも勝てない。この競技の難しいところでもあり、面白いところでもある。」
とある。
野球は三振を奪う競技でもホームランを打ち合う競技でもない。
ホームベースを1回相手より多く踏むために、守り、攻撃するという競技だ。
通常これだけ三振を奪えば楽勝になるはずが、
この試合は、逆に日本がシャットアウトを食らっている。
それは、野球はピッチャーで決まるわけで、ピッチャーがホームを踏ませなかったアメリカが
ホームインを4回許した日本ピッチャーと守備陣に勝った。
ホームを踏むために戦略を施すことが勝敗となる野球のルールが、如実に顕れた試合だった。
次に、
具体的な敗因はどこにあったのか。
「金属から木製バットへ移行する中で期間が短すぎる。トップクラスのチームは対応が早い。韓国は高校時代を木製で過ごしている。今年は(攻撃の)軸をしっかり作った。ところが数字が上がったかと言えば、そうでもない。打撃は10分の3、3分の1で上出来と言われる中で、難しいものと感じた」
とある。
打つという作戦は、成功確率が低いばくちだ。何度もこの場に記してきた。
だから、打つという行為は、単純にヒットを打つだけでなく、
アウトになっても球数を投げさせたり、ランナーを進めたりすることにも価値があり、
ホームベースを踏むためにチームで根拠をもって攻撃することなのだ。
たとえ序盤は0点が続こうとチームで方針を固め、球数を投げさせたり、打つべきコースや
球種を決め、意識して打っていく。
あるいは、相手の弱点と思われるポジションに打球を集め、守備の乱れを狙ったりする戦略もある。
さらには、相手の力量とこちらの力量から9イニングで5点を奪えるだろうと算段すれば、
それを、自陣の守備で何とか4点までに抑え、勝利を手にする戦略をたてたりする。
それを打線といい、それを野球という。
小枝監督は技術論にも踏み込む。
「金属バットで長打やタイムリーが出ても、特有の『交通事故』に気づかないものなんです。インサイドからしなりを持っていかないと、外国人投手の特長である『動くボール』には対応できない。基本に立ち返っていかないと難しい。外国人打者はスイングが強い。下半身がしっかりしているから、スイングが崩れない。日本の選手もマネすべきだと思う」
金属バットを使用する高校野球では、芯に当たらなくともオーバーフェンスする。
そのため、特に打ち方にこだわらず、振り回して詰まってもいいし、芯に当てに行っても
どちらでもホームランが可能だ。
飛ばすための体づくりが促進していること、研究が進み、練習と情報が高度になったこと、
そして何より金属バット自体の性能がどんどん上がっている。
明日も続けよう。
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