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守備と脚を買われて一流の打者になった荒木 再録

宮本は高校→大学→社会人と進んでプロ入りしたということ、

右打者だったということ、つなぎの役目だったということ。

これらの条件を跳ね返して名球会入り条件のヒット数を突破した。

当然、時間はかかるし、年齢も高くなる。

 

同じように右打者でつなぎを求められた打者に荒木がいる。

野手の名球会入り条件はヒット数でしかないのに、

その打撃に特別優れていたというわけではない荒木が

打撃の一流の称号を得ている。

 

荒木は守備と脚という武器で常時試合出場を勝ち取り、

それゆえ2000本のヒットを重ねられた。

落合は日本代表に荒木が漏れた時

「俺だったらセカンドは荒木。あいつは世界一のセカンド」と言っていた記憶がある。

 

打撃に特別優れているわけではなく、つなぎの役目も担っていたので

22年を要した。

 

つなぎの役目がヒットを重ねることに難しくなるのは打席に制約が多くなるからだ。

名球会選手では荒木が最もホームランが少なく、次が宮本。

 

つなぎの打者とは、別の選手にチャンスを回す役割となる。

バントのサインが出れば当然、ヒットは打てない。

 

また盗塁やエンドランがあるかもしれない場面ではカウントを待ち、

初球から打つことは許されない。

 

盗塁のサインなら塁に出たランナーが、走りやすいようにカウントをつくり、

ピッチャーが変化球を投げざるを得ないようにしたり、

走った時にストレートが来て刺されると思えば、ファールにしたり、

自分のバッティングよりも盗塁が優先されてしまう。

 

エンドランのサインならボール球だろうが何が何でもバットに当てなければいけなく、

打つ方向も基本、右に打つし、フライは絶対ダメ。

 

自分の好きな球を好きなカウントで好きな方向へ打つということができない

制限をもたされる役割になってしまうのだ。

 

自分の好きなように打席をつくることができない、ということは1度の打席で

チャンスが何度もなく、1球を仕留めて行かなければならないプロの世界で

ヒットを重ねるには条件が悪くなる。

 

荒木は抜群の守備力とそれを可能にする脚力が優れた選手だった。

40歳を越えても、この技術でプロの一線にいた。

そのため2000本という打撃での一流の称号をも獲得できた。

 

守備と走塁でファンが期待し、それに応えてくれる見事なプレーを見せてくれ、

まさにエンターテインメントを含んだ魅せるプレーをしてくれた選手だった。

細身の体ながら身体能力の高さがそれを可能にした。

それゆえ、若い頃は左打ちにも取り組んでいた。

 

プロになるには野手の場合、打力がないとプロからの誘いも来ないものだし、

たとえ、入団がかなっても守備力や走力だけでは常時試合出場というのは難しい。

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