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希望がなく、静かなグラウンドでも情熱は変わらなかった 再録

パンデミックの時はどの団体も練習環境が通常のものとは変わり、特にこの時し

かないという人達にとっては不運があたってしまったと言っていいだろう。

このタイミングでその時を迎えた人たちのことだ。

最たるは高校生達だ。

 

高校生というのは、それまで続けてきた競技に区切りをつけるのに多い時期。

小学生の低学年から始めた競技を中、高と続けてきて10年くらいを

高校の部活動で区切りをつけるというのが日本の仕組みとしては多いだろう。

 

それは高校を卒業することは進路を考えることだからだ。

高校まではほぼ義務教育と言ってもいいほど進学率は高いが、

そこから先は就職、進学などに別れて行き、さらに進学したとしても

その先のことを考え、自分の道に集中するために競技を辞めたり、

競技のレベルが高くなる世界で真剣に取り組むことから一線を画したりする。

高校卒業は大人への一歩であり、自立への一歩であるわけだ。

 

その大きな区切りとなる高校部活動が満足いくものにならなかった心中を

推し量るとこちらも苦しくなってくる。

 

そんな中でも独自大会と銘打った夏の地方大会では普段と同じような情熱を

もって試合が行われていたことにはホッとさせられた。

 

甲子園がなく、スタンドで応援してくれる同級生たちの姿がないのに、

変わらない熱さをもって、試合に負ければ大泣きする選手を多く目にした。

 

甲子園の希望がなく、静かなグラウンドでも情熱は変わらなかったことは、

高校野球を完全燃焼するといった姿勢に見受けられた。

 

かなり練習量は減ったはずなので野球レベルは下がったと考えるのが

当然に思われる。

下がっていないとしたら、今までの練習は不要だったとも言えてきそうだ。

 

練習ができないとは言え、それは皆でいつも集まっているグラウンドでは

できなかったというだけでやれることはどこにでもあり、工夫をこらした

練習をこれも独自で考えていた。

だから独自大会と言ったのか。

 

上手くなる、強くなるのは練習量に比例しない。

体力、情報、経験をベースにした練習が強くする。

 

練習量に比例して強くなるならそれだけやればいいとなる。

体力、情報、経験を計算して、実地練習ではこれが何に役立つのか、

何のためにやっているのか、ということをいちいち考えることが進歩を促す。

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