ランナーが一人の場合の挟殺プレーに急ぐ必要はない。
ランナー一人ならゆっくり時間をかけて始末すればいい。
9人で一人を殺すのだ。
ランナーが複数いたらそうは言っていられない。
どうしても挟んだランナーをさっさと殺して、他のランナーをケアしたいからだ。
特に後ろのランナーを挟んだ場合にはこの心理は強く働く。
後ろのランナーというのは一、二塁や一、三塁なら一塁ランナー、
二、三塁なら二塁ランナー、満塁なら一塁と二塁ランナーということになる。
後ろのランナーを挟んだ場合に強く心理が働くのは、前のランナーが気になるからだ。
前のランナーはホームに近い位置にいる。
野球のセオリーは前のランナーを殺すことだ。
それは失点に近いから。
挟殺プレーにしても封殺プレーにしても前のランナーを先に殺すよう野手は動く。
外野からの返球にもカットマンは前のランナーを先に行かせないようカットラインを
つくることが基本だ。
野球は得点を競う。
ヒットの数やホームランの数ではない。
ホームを踏んだ回数が多い方が勝ちだから、ヒットやホームランの数は競わない。
だからホームを踏んだ数が相手より1回多ければ、ヒットやホームランをいくら打たれてもいいのだ。
さて、挟殺プレーの話に戻るが、複数ランナーがいた場合は早く、挟んだランナーを殺したい。
それはもう一人、ないしもう二人のランナーに進塁を許したくないからだ。
場合によっては二人いっぺんに殺すプレーさえ、戦略として持っているチームもあるからだ。
つづく。