変化球についての考察を振り返る金曜連載3回目。
2023-8-18 変化球は握り(スプリット)、軌道(スライダー)、効果(チェンジアップ)にわかれる
前回までに握りにより呼称される変化球と軌道(変化)によるそれを記した。
握りによる代表はフォークボールだ。
フォークボールは食事に使うフォークのように指を広げるのでこの言い方をする。
フォークボールを少し浅くして、スピードを増し、小さく落ちるのがスプリット。
外国ではフォークという言い方はないので、人差し指と中指に挟んで投げる球は全てスプリットとなる。
スプリットも握りによる呼称だ。
人差し指と中指が離れるからスプリット。
軌道(変化)によるものはスライダーが典型。
横に滑らせるイメージの球だ。
シュートはどうだろう。
シュートには射るなどの意味がある。
右ピッチャーが右打者に殺人的に近づけ、食い込ませる球だからだろうか。
シュートは縫い目に人差し指と中指を掛けて投げることが多い。
この場合はツーシームと一緒と思っていいだろう。
打者が打とうとしている時、縫い目がふたつで迫り、ふたつの縫い目が見えるからツーシームと言う。
ツーシームとシュートは全く同じ握りで同じ変化の場合があり、この場合はその選手により言い方はまちまちだ。
それまでシュートと言っていたピッチャーが同じ握りで同じ変化なのにツーシームと言い出すこともある。
ただ、ツーシームはシュートと言っていいが、シュートの中にはツーシームでないものがある。
つまり縫い目がふたつ見えないのにシュート回転させるものはツーシームとは言えないので
シュートとしか言いようがなくなる。
このツーシームには落ち気味や落ちるものが多くあるので持ち球をシュートとは言わず、
ツーシームと言いたがる傾向がある。
ピッチャーはそこへのこだわりがあるのだろう。
そうなるとシンカーもツーシームに近くなる。
ただ、下手投げのピッチャーが放るシンカーは一度浮かび上がるようなものがあるので
上手投げのシンカーのように変化する球はツーシームと言う場合が多いように思われる。
これらを含めてツーシーム系と言ったりする。