ドラフト指名されながら入団拒否に金額は関係あるか。
ドラフト前から拒否するのはそもそもプロ入りを希望しないから、ということで、これはよくわかる。
その理由としてはプロで通用する実力がないと思っているから、
まだプロ入りするのは早いので大学へ行ってから、
アマチュア球界で成し遂げたいことがあるから、
野球をこれ以上続けたくないから、
野球で飯を食っていくつもりはないから、
などが考えられます。
これらに対して指名後に拒否する場合は、希望しないチームが交渉権を引き当ててしまった、
指名順位が低い、
契約条件が悪い、
といったところ。
希望しないチームの交渉権に対して入団拒否というのに金額は関係ないだろう。
就職先がいやだ、ということだ。
指名順位が低い、というのも金額とは違うように思われる。
自らの評価が過去の選手や一緒にドラフト指名選手に比べて低く、不満というものだろう。
事前交渉や慣例から指名順位で金額が推測できるから、という理由もあるかもしれないが、
それよりは自分の能力を認められていないことへの不満に思われる。
金額が関係してきそうなのは、そのものずばり契約条件が低く折り合わない、という場合だけだ。
指名後の交渉で金額が折り合わず、契約金は退職金の先取りという面もあるというから
新入団の最も新鮮な時にもらうべく金額はもらわなければならないと考える。
ところが金額で折り合わないからと言って断ってしまえば、
また数年プロ入りは先になってしまう。
すると、その数年を棒に振ると考えれば、また入団が先になることで選手生命が短くなると考えれば
金額が折り合わなくても契約した方が得、と考えそうなものだ。
だから指名後の交渉で金額に不満だから入団拒否というのも考えにくい。
実際に、交渉で金額が折り合わず入団拒否ということをあまり聞かないように思われる。
ということはお金でプロ入りを拒否するというケースはない、と言えそうだ。
今までやって来た自分の好きな事、最も得意な事で、最も時間を割いて、最も夢中になっていたもので、
どれだけ高みに行けるかを試したいということが大きな動機だ。
そして、最高技術を知りたい、高いレベルとはどんなものか知りたい、ということ。
プロになれるのなら契約金なんていらないというくらいの人の方がほとんどだろう。
そもそも契約金は周囲の人へのお礼やらで自分の手元に残るのは額面よりだいぶ少なくなる。
そして入団時のお金に固執して人生設計する人などいないだろう。
金は入ってから考える。
お金が不満と言うより、今後もプロで稼げる自信がない人は拒否する、というケースがよくある。
数年でクビを切られるプロより、社会人野球でもう少し野球を続け、
引退後もそのまま就職できることを選択したり、ドラフト指名という手土産を持って、
高校や大学から就職先に生かしたり、ということ。
プロ入り前が高校生なら給料など受け取ったことがないし、
大学生だってせいぜいアルバイト、社会人を経験したってプロの金とは雲泥の差なのだから、
そこに不満とはならないわけだ。
むしろプロになれるのなら金払ってでもなりたいものだ。