MLBではシフトが禁止となったとされるが、それはいわゆる定位置という概念があるからだ。
日本では王シフトが最も有名であり、海外の野球では大胆な守備位置を敷くので
シフトと言えば引っ張りに備えて内野手を寄せる、外野手を深く守らせる、ということをまず頭に浮かべるものだ。
これらも定位置という概念があるからだろう。
王に限らず、打者によってピッチャーの投球や試合の状況によって来そうな打球が想像できる。
守る側はそちらに意識が向くものだ。
脚が速い打者には内野は前に出たり、ツーストライクになった打者には引っ張りだけには備えなかったり。
むしろ定位置と呼ばれる位置にいることの方が少ない可能性すらある。
そうなると定位置など、元々ないということになる。
定位置とはおそらく4人の内野手と3人の外野手がフェアゾーンの中で最も効率よく配置される
ことという意味だろう。
それは、フェアゾーンの隙間に偏りがない、という位置になる。
シフトは大きな隙間が生まれるが、打者によっては最も効率の良いと考えられる守備位置のことだ。
シフトを敷く場合、長打に備えることを守る側はまず考えるものだ。
つまり、ホームラン打者が放つ大きな当たりを防ぐか、最小限の被害に抑えたいから。
ということは内野手が一方に寄るのは長打警戒のためではないということになる。
長打がいやなら内野ゴロを捨てて、外野に配置した方がいいからだ。
それでもホームラン打者の時、外野だけにしないのはホームラン打者もゴロは打つから。
その場合のゴロは圧倒的に引っかけた打球が多い。
ホームラン打者はいわゆる反対方向へのゴロは少ない。
その理由は次回へ続ける。