戦前から言われていたダルビッシュから大谷へのぜいたくリレーや三冠王と完全試合男が
同じチームで戦うなど夢のような出来事が現実となったWBC。
これでこそ国際戦だ。
世界最高峰にリーグとされるMLBでさえ実現できないことを目の当たりにしたことにより
今後はこの世界大会こそがNO.1を決める大会になっていく予兆に満ちている。
オールスター戦はお祭り雰囲気で真剣や緊張に欠けるからドリームチームの真剣勝負は
WBCで見ることになるだろう。
さらに敗けたら終わりだから一球、一打席への観る方の集中が段違いだ。
サッカーにはワールドカップがあるのに野球で世界一を決定する戦いは長く実現しなかった。
それが、17年前の第一回から重ね、今回で日本においては代表によるこのWBCという国際戦は
名誉であることが定着したことになる。
日本で今回この流れへと導き、成功へ到着したのは今の選手が皆、子供の頃にこの大会を見てきて感動したからだ。
これまではMLB所属選手は代表参加へ消極だったのに大谷、吉田、鈴木が自チームでの調整を放ってでも
参戦してきたのはその歴史のおかげだ。
そして準決勝の逆転劇、決勝のできすぎたストーリーにより感動の余韻はまだ続いているように感じる。
成田に詰めかけた人たちはどうしても彼らにありがとう、と言いたかった人が多かった。
彼らの活躍に心を動かされ、自分の人生への教訓、糧とした。
これこそがスポーツの存在意義。
もともとはただの遊びが昇華し、人生を賭けるプロが生まれ、そして人の人生へ影響させるまでになってしまった。
帰国後の会見でのコーチ陣のエピソードはとても興味深い話だった。
ブルペン陣の苦労や村上サヨナラ打の時の伝達、憶測を呼んだサインミスの真相には
「へー、そうなんだ」と見ているだけではわからない野球のおもしろさを得られる。
また、帰国後、各番組に出演した監督、コーチの披露する裏話は話題になった。
そこには野球の技術や戦術はもちろんのこと人間模様も反映しているからだ。
日本は縁の下の力持ちや出場していないところでの準備や
自分の役割を全うしようとする選手の意識によりチーム力を最大化して優勝したという印象を持つ。
これはまさしく社会の縮図だ。
スポーツはそれが勝ち負けではっきり現れるから、まさに人生訓となる。
勝ち負けだけが全てじゃないが、勝つことより優先されることはない。
そうして出た結果を受け止めるわけだ。
スポーツなんてなくても死にはしない。
しかし、人は感動するために生きている。
感動するなら命さえ削るのが人間だ。