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良い球場とは野球を観させないこと

日ハムの新本拠地を作るにあたり

「野球場の欠点は野球を見る以外にやることがない」

ことなのだそう。

野球を観に来ているのに試合に集中する以外にやることなど必要なかろう。

 

「野球以外でもファンになってもらうことが重要。違うコミュニティーを足し合わせ、もっとエンターテインメント性を高めないとダメ。あくまで『野球もやる』パークにこだわった」

この発想はいいと思う。

だが、これは新鮮な発想ではない。

後楽園は巨人の試合があり、ボクシングの聖地であり、馬券が買え、遊園地があった。

その中で巨人の試合を観たい人は球場へ足を向けた。

少なくとも半世紀以上前からそうだった。

 

そして、北海道の新球場は座席前の通路幅が広く、座っている人がわざわざ立たなくても、

そのまま通りやすく、この快適性を優先するため、本来は球場に3万〜3万5千席を確保する予定だったが、

あえて2万9000席に抑えたとのこと。

これはすごくいいと思う。

球場で一番困るのがトイレだからだ。

数時間居心地の悪いシートに座り、腰、肩が痛くなると、トイレにでも一度行こう、と思うが、

階段通路に出るまでに他人の前の横切りには気を使うので、歩ける部分が広いと助かる。

 

「温泉に入りながら野球を見る。ワードだけでインパクトがあると思った」

つまらない発想だ。

温泉に入りながら観たところで野球のおもしろさはわからない。

絶対に見逃すシーンがあるし、戦略への思考が及ばない。

つまり野球の本質にたどり着かなく、野球のおもしろさをいつまでたっても理解できない。

温泉に入りながら野球を観るのではなく、ホテルに泊まり温泉に入っている眺めに野球が目に入るというだけ。

この場合、野球はただの景色だ。観戦ではない。

 

野球を提供しようとしているチームがこの発想では自ら首を絞めている。

球場にグルメなどと言い出し、プレーが展開されている最中に食べ物を求めて列をつくるなど

愚の骨頂だ。

ファンのための球場とは快適に野球にだけ集中できる空間のことを言う。

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