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王者登場

1回戦屈指の好カード敦賀気比対明徳。

結果は、敦賀気比が王者の底力を示した。

 

5年ほど前、春、夏連覇を果たした興南の時のような

落ち着いた試合運びだった。

 

過去に春夏連覇したチームも必ず苦戦するゲームがあり、

もうだめか。と思わされる状況に陥るものだ。

 

横浜はPL、明徳に、興南は報徳に。

 

それでも、あの時の興南高校は、王者らしく、

リードされても、必ずこちらにチャンスが来ると、落ち着いて

1回、1回の攻撃、守備をこなして、最後には相手を追いつめて行った。

 

昨年、春夏連覇を目指した平安高校は、これができなく敗れ去った。

 

平安高校は、

春を制した時点で、試合運びの巧みさと各選手のプレーの質に

とても洗練されたチームであり、春夏連覇が可能と見ていた。

 

しかし、初戦は2番手以降のピッチャーが先発し、

立ち上がりに失点してしまった。

 

興南高校は、こういった場合でも落ち着いた試合運びをしたのだが、

平安はその後、ピッチャーを代え、抑えはしたが、巧みな攻撃は

影を潜めたままだった。焦りがあったように見えた。

 

そして、今回の敦賀気比。

 

興南高校のように落ち着いていた。

先に点を取られても相手の力量はわかったから大丈夫といった感じ。

 

立ち上がり、

エースが高めに浮き、コースを狙うと打者の後ろを通していた。

明らかに浮ついている。

 

追いかける展開でホームで刺される。

送って1点づつ追い上げることをせず、打たせ、無得点。

満塁の場面でピッチャーゴロゲッツー。

負けるパターンだった。

 

でも、俺たちの方が実力は上と言わんばかり、落ち着いていた。

終盤に向けてじりじり押し返し、9回トータルでは勝っているという試合だった。

中盤から終盤にかけては明徳も出塁すらできない。

明徳の方が力量からして格下だった。

 

明徳は

それならば、着実に加点する作戦をとり、

点が取れなくとも、球数を投げさせ、選球し、塁を先に進め、

プレッシャーをかけていかなければいけなかった。

 

リードしているときに、少しでもプレッシャーをかけ

中盤から終盤に1点とれれば、王者をあわてさせることができたかもしれない。

そこが甘かった。

1点でいい。それができれば、一発勝負はものにできる。

 

同点に追いつかれた場面も

弱点が明らかで、穴が見える相手打者に3塁打を浴びてしまった。

これは、ミスなのだ。

ミスはエラーや走塁にばかり起こるわけではない。

打ちとれる打者に対して

配球を失敗し、ヒットされることもバッテリーのボーンヘッド。

 

今回の明徳の敗戦は、せっかく立ち上がり有利な試合展開が転がり込んできたのに

その先をしっかりした野球で展開できなかった指揮官の失敗に映った。

 

日頃から格上に対する試合運びを覚えさせることもできなければ、

承知もしていなかったということだ。

 

チャンピオンがこのままで終わるわけがない。と思えば、

もっと着実な作戦があったはずだ。

 

序盤から中盤はチャンピオンが負けるパターンを自ら

してくれていたのに。

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