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外野フライを落としてゲッツーにするという新たな戦術

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5月27日の阪神-巨人の幕切れは、外野フライを落球してのゲッツーというものだった。

 

ワンアウト満塁から長野がレフトフライを打ち上げると、

レフトの中谷の足は完全に落下地点で止まるというイージーフライだった。

そして、その打球をグラブの中へ収めたかのように見えた。

 

球場の誰もが捕球後、送球に移る持ち替えでボールを落としていると判断した。

巨人のランナーもそう判断した。

 

したがい、タッチアップの必要があり、進塁にはタイミングが間に合わないので

2塁、1塁のランナーはベースにくっついたままだ。

ところが、審判の判定は、これを完全捕球できず落球とし、セーフのジェスチャーをした。

したがい、ランナーはフォースの状態であり、次の塁へ進まなければならない。

 

しかし、ランナーが、これを一瞬で判断するのは難しい。

タッチアップの体勢のため、外野手の捕球姿勢ならびに、その動きを目で追うもの。

審判の判定に目を移すということは、しにくい。

この時は、審判以外は球の持ち替えで落としたと見えたので、なおさら気持ちを切り替えて

進塁に行動を移すというのは、無理がある。

 

わざと落としてゲッツーを狙った場合は故意落球として審判は、打者アウトでゲッツーを認めない。

インフィールドフライもわざと落としてゲッツーを狙う守備側意図を回避させるためのルールだ。

 

このケースは故意での落球ではない。しかも、捕球した後に落としたように見える。

レフトを守っていた中谷に落球してゲッツーを、などという意識はまったくなかった。

外野手がゲッツー狙いで、わざと落とすなどということはあり得ない。

 

中谷としては不本意なプレーをしていることになる。

球の持ち替えで落とした時、「おっと、早く返さなきゃ。」と

慌てた感じで、すぐに拾い、内野へと返球している様子からもわざとでなく、ミスだ。

 

つまり、これでゲッツーが完成するなら

ミスをした方のチームが得をするというルールになってしまう。

これが通用するなら、これを技術として取り入れることもプロなら考えてもいい。

これを戦術とするのだ。方法はプロが考える。だってプロだから。

 

そうなると、ルールの見直しが起きるだろう。インフィールドフライと同じことだ。

中谷はバツが悪い。ミスしたのにうまくいってしまって、試合が終わったのだから。

 

この時は、点差が離れているので、巨人ベンチはこれでもいいやという気があっただろう。

このケースではリクエストが適用されないらしい。

だから、判定が覆ることも難しいケースだ。

これが、緊迫した試合だったら、猛抗議がつづき、提訴という動きにもなっただろう。

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