今年のドラフト1位の面子は、
大学生投手5人、高校生投手4人、社会人投手1人、大学生野手2人。
投手が10人で野手が2人、高校生野手は0ということになった。
野球の勝敗はピッチャーが握っているので、どのチームも良いピッチャーを欲しがる。
ピッチャーが高卒でも活躍する選手が多い理由もここにある。
まず、野球はピッチャーではじまる。
ピッチャーが自分であーしようかな。こーしようかな。と策略を練って、
ピッチャー主導で始まり、ピッチャー始動でゲームが動く。
だからピッチャーは自分が投げたい球、自分に合う球を磨けばいい。
打者はそれに合わせなければいけない。
基本、野球はピッチャー有利でできている。
バッターは3割成功すれば、1流。スコアボードは0が書き込まれることが圧倒的に多い。
さらに投手は、役割がいっぱいある。
先発ローテーション6枚、セットアッパー、クローザー、ワンポイント、谷間、敗戦処理など。
対して野手は高卒では出にくい。
野手は投手のように投げれば、休養を与えるということはなく、基本レギュラーが固定され、
ずっと一人がひとつのポジションを担う。
高卒のピッチャーは、環境が変わり、相手のレベルが上がるとはいえ、主導権をもっているので
自分の球を磨けばいい。
野手は打者として相手に対応しなければいけない。
環境が変わり、レベルが上がる相手にこちらから対応しなければならない。
プロの今まで見たことがない球が来て、それに対応する必要がある。
高卒でもピッチャーが活躍しやすく、野手が大変なのは上記のような理由であるが、
最大の理由は、野球は失敗を繰り返すということ。
ピッチャーが、投じる球が意図していなくとも、
3割うまくいけば成功である打者は7割を勝手にミスをする。
ピッチャーが「調子悪いな」とか「いい球が行かない」とか「思ったところに投げられない」
と感じても、抑えて行ってしまうことはよくある。
対して、野手はたまたまヒットになることがあっても、それが何打席も続くということはない。
うまくいった成功体験を追いかけ繰り返そうとしても失敗することの方が多い。
野球はピッチャーだ。