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コリジョンは誰が。過去には統一球も

新ルールとして導入されたコリジョンが取りざたされ、

先日の阪神は意見書を提出した。

そしてNPBは説明を行った。

昨日は、同じようにNPBが説明、釈明をした統一球について触れた。

今日は、さらにルールや仕組みの変更で話題なった過去の例を引き合いに出してみよう。

 

ところで、阪神は意見書を出しているが、

この程度のプレーが起こることはシーズン前の時点でわかりきっていた。

キャンプでも審判を交え、ルールの確認をしていたにもかかわらず、

事が起きてからこんなことをやっているようでは、現場もNPBも遅すぎる。

阪神は正義の旗手のつもりのようだが、怠慢だ。

それは阪神に限らず、今更、事を取ざたさせている運営側、現場、球界OB

皆の怠慢。

 

統一球の時は、飛ばないボールになり、野球人気に障ると思い

規格を飛ぶボールに内緒で変更したが、うそをついてしまい

コミッショナー引責辞任にまで追いやられた。

 

その他に統一球のような道具の変更でいうとバットがある。

 

昔は圧縮バットとかいう良く飛ぶといわれるバットの使用があったそうだ。

現在は禁止されているらしい。

 

そして私が小さい頃は、白い木製バットのみの使用だった。

それが、いつからか黒が許可され、今は、白、黒、赤っぽいバットもある。

 

それから、社会人野球では金属バットを使用していた時期がある。

成熟した大人の野球で金属バットを使えば、

つまってもホームラン、振り遅れてもホームランなんてことはしょっちゅうで

10点ゲームの試合はざら、野球自体が異質なものだった。

 

これによりパワーで振り回し、プロがなく、海外でのプレー禁止政策をとっていたキューバが

連勝を重ねていた。

バットの性質が野球の質を大きく変えていた。

 

私の高校時代に消音バットが導入された。

私の高校生の頃まで、甲子園の打球音は響き渡っていた。

ところが、金属音を近くで長く聞き続けるキャッチャーの聴力への影響が

懸念され消音バットが登場した。

私の高校時代は導入時期であり、移行時期だったため

チームで2本だったか3本を導入することを義務付けられたまでだった。

今は、過去の大きな音がする金属バットは姿を消した。

 

道具を使うスポーツは

そこにルールという恣意が入ると、その競技の質を変え、選手のプレーが変わる。

 

ルールが競技の質や概念を定着させるということも言える。

 

たとえばマウンドは18.44Mと規定されている。

これを1M伸ばしても1M狭めても、今の野球概念を大きく変えることになるだろう。

 

1M伸ばせば、首位打者は例年5割を超えるかもしれない。

逆に狭めれば、2割そこそこで優秀となるかもしれない。

 

作戦も変わってくる。

 

1M伸ばせば打つ作戦が増えるだろう。

10点くらいじゃセーフティーリードにならないかもしれない。

狭めれば、バント、盗塁、待球作戦が増えるかもしれない。

 

選手の需要も変わる。

1M伸ばせば体の大きいパワーがある人ばかりがプロ野球選手になり、

狭めれば、足の速い選手が求められるかもしれない。

 

守っている野手の人数を変えたらどうなるだろう。

 

よく、「いい当たりをしたのに正面をついた」とか

「打ち取ったのに飛んだところがよかった」なんて言う。

野手を増やせば、打率は落ちるだろうし、減らせば当然、打率はあがる。

 

ボールのかたさや大きさはどうだろう。

 

統一球で大いに話題となったように

当然かたさや大きさを変えれば、打率、防御率、ホームラン数で劇的な変化をもたらす。

 

このように競技のバランスやエンタメの性格をもたせるために

ルール変更が可能な、人間が考え出したスポーツには恣意が介在すると

競技自体が大きく変わることになるということを重視しないと大きな問題となる。

 

さらにルールや仕組みの変更について

明日以降もつづけてみよう。

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