準決勝から村上は、ストッキングが見えていた。
いわゆるオールドスタイルとかクラシックスタイルとか韋駄天スタイルとか言われるタイプだ。
気分転換になる。
準決勝と言えばアメリカに渡ってからだ。
かつてイチローが不振の時、チームメイトが揃えたことを思い出させる。
そしてアメリカの地で日本中を興奮させたイチローのタイムリーを小さい頃見て野球を続けてきた村上は
アメリカの地でそれにあやかり、真似たかったのだろう。
アメリカに渡ってからはストッキングを見せるスタイルでプレーしよう、と決めていたと思われる。
その村上が最後を決めることになる。
日本のアマチュア野球はほとんどこれであり、高校野球、大学野球は全てこれだ。
高校野球や大学野球はソックスを履き、その上からストッキングを履く。
ところで、このスタイルはストッキングを上げるスタイル、と表現することがよくある。
ストッキングを上げるのではなく、裾を上げるのだ。
ストッキングはプロでも全員があげている。
ストッキングを上げるのではなく、裾を上げる、もしくはストッキングを見せる、なのだ。
ところが今はソックスの上からストッキングを履くスタイルはプロではほとんど見られなくなった。
ソックスとストッキングが一体型の一本で履く。
そしてズボンの裾を下ろし、その上に一本型ストッキングを被せるスタイルが流行り出した。
準決勝以降の村上もこのように見える。
この履き方だと、ストッキングを上げる、という表現もあってしまうことになる。
ズボンを下に入れるから。