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天才VS努力

天才とは天賦の才のこと。

天から頂き給うた才能。

だから、美人はその時点でそれだけで、もう天才と言える。

 

天才と言うと対局に位置するとされるのが、努力。

典型なのはONで、長嶋が天才型なのに対して王は努力型とよく言われた。

しかし長嶋も、ものすごい量のスイングを繰り返し、泥だらけになって球を追ったという映像は多く残っている。

王も、あの一本足打法を身に着けるに、傍にいる人を戦慄させるほどの練習を
繰り返したがためにそう称されるが、

あの頑丈な体による天賦の飛距離を持っていたという前提がある。

長嶋も努力したし、王も天賦の才があったのだ。

 

コツコツ積み重ねて大業を為すと努力型と言われがちで、決して天才ではない、

という印象を持ちがちだが、天才だって何もしないでできるわけではないし、

努力だって、その分野に自分の能力が生かせると思うからこそ精進するもの。

世の天才と言われる人は、その分野に興味を持ち、日夜、熱意をもって取り組んでこそ大輪の花を咲かせる。

 

何もしないで、いきなり知らない分野のことを、まして興味も持たずに、できちゃうなんてことは、

人間業ではなく、そんな人はいない。

野球でも、スポーツでも、学問でも、天才が出現した将棋でも、一般のあらゆる仕事でも。

 

かつて、ある地方競馬のトップジョッキーが

”武豊も天才じゃない。天才はこの馬を何で勝たせることができるのだというジョッキーの事。”

と言っていたのが印象深い。

つまり、武豊には馬主からの騎乗依頼が多く、走る馬に乗ることができるから

当然、勝つことが多くなる。

しかし、本当の天才は人気のない馬を勝たせてしまうジョッキーを言うというわけだ。

 

世の中で天才と言われるのは独創的な発想や形を見せ、それが他を圧倒するほど

秀でたときに、称されるものと思われる。

そんなのいままで見たことないよ、こいつ天才だな、と。

 

猪木をして50年に1人の天才レスラーと言わしめたタイガーマスクも、本人にしてみれば、

こんなのイギリスでずっとやっていたこと。今更、何を驚いているの。

という感覚だったようだ。

翻ってイチローは天才か。

 

今まで見たこともない振り子打法と呼ばれた打ち方でヒットを量産する。

パワーがものを言う野球の世界で細い体にも関わらず、鋭い打球を連発する。

従来は、軸足に体重を残して引きつけて打つことが良しとされていたのに、体重移動しながら、

自分の方から投球に近づいて行く打法。


シーズン200安打などという概念を初めて、世に知れ渡らせた打出のこづちのごとくヒットになる打棒。

内野ゴロでもヒットにしてしまう俊足。

のちにレーザービームと称され、補殺ということばを魅力あるものにまで引き上げた強肩。

エリア51とまで言われた何を起こすかわからない、ワクワクさせる守備範囲。

意味が深く、哲学的で、人生訓となり、多くの人に影響を与える数々の発言。

20歳の若者が今までのどの選手にもいない形で、いきなり目の前に現れた衝撃。

 

こういったことで天才と呼びたくなるわけだ。

つまり、真似できないことをいきなりやってのけた印象が人々にあるから。

観る側が抱いていた常識を、いきなり、現れた青年が覆してしまったことに衝撃を受け、

こんな人間いるのか、と、びっくりしてしった。

 

イチローも独創だったから天才と言われた。

しかし、イチローも幼少の頃から熱中し、毎日繰り返してきた野球という分野で

コツコツ積み上げて出来上がった形であり、本人からしたら、今までの積み重ねだよ、

と、天才などと言われることを全く意に介さない。

 

江本は「江夏は天才ですよ。練習しないんだもん」

本当にそういうことなら、間違いなく天才と言っていいだろう。

たしかに、江夏はコーラをぐいぐい飲む姿を見かけたし、

およそスポーツマンとは思えない腹の出た体型で投げ続けていた。

 

天才は天賦の才ではあるものの、自分が全く興味を持たない分野で、それについて考えることもなく、

人より優れた成果を残すことなどできない。

好奇心をもって取り組み、さらにその物事に惹かれ、さらに興味を持って熱中していく。

そのことばかり考えるようになる。

そうすることで特別な感覚を得ることができる。

 

そうして得た感覚が、凡人や先人には思いもよらないことなので天才と呼ばれるようになる。

本人は天才などと、思っていない。

産まれたときから美貌に恵まれた美人も自分を美人だと意識して、行動してこその美人だ。

江夏も子供の頃から続けてきたピッチャーという分野でのもの。

積み重ねたものがあるから、あるレベルまで来た時、傍目に練習していないのに

できちゃっているように見え、優れた結果が残るわけだ。

 

つまり、天才とは誰も気づかなかった発想を持って、新たな技術や方法を見出し、

さらにそれまでの事実、成果、成績を圧倒するような実績を残した人と言えそうだ。

そして、興味をもった事象に熱意を持って取り組み、積み重ねていくこと。

その先に、情報なしで、新たな発見をできる人が真の天才と結論づけておこう。

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