毎日野球コラム - 野球コラムサイト -

日本が誇る最強アスリート

室伏が日本選手権20連覇。

 

室伏は昨日の松井同様、私と同い年の今年40歳。

 

不惑の域に入り、私の年齢周りのアスリートが

本当に少なくなってしまった。

 

最も引退を想像するに難いと思われていたゴジラが引退し、

そして今、現役の井口や井端や松井稼もそろそろ限界が見えている。

 

イチロー、小笠原、高橋由なんかにも陰りが見え

苦境に立たされている。

ベッカムはオーナーを務めるチームで現役復帰するとか。

 

そんな中で日本選手権20連覇だって。

それも他を寄せ付けず。

 

最初の優勝の映像が流れていたが、

全くもって今の風貌とは違い、リーゼントのような髪型に体も今より細いものだ。

 

それだけ20年という歳月は長く、とくにアスリートにとっては1年ですら、

勢力図や調子がコロコロ変わるものなのにもかかわらず、たいしたものだ。

 

室伏も今年40歳を迎えるわけだが、ハンマー投げという

絶対的に基礎体力がものを言う競技において何年も自分より若い連中を退けて、

トップで居続けるのは驚異だ。

 

20年もの間、日本選手権が開催されるとき、一瞬でもけがをしていれば成し遂げられないから。

 

われわれ観る側は、

そのパフォーマンスと結果でしか判断しないわけだが、

その裏には毎日の節制や管理がものをいう。

 

けがをも抱えている体かもしれない。

 

その上でのこのパフォーマンスだ。

いろいろ犠牲にしていることも多いんじゃないかと想像できる。

 

世界のトップで活躍するハンマー投げの選手で

体重が100キロを切っているのは室伏だけだそうだ。

(最近は超えたかもしれないが)

それだけ体の潜在能力が高いことをうかがわせる。

(技術も卓越しているらしい)

 

室伏の身体能力の高さを示すエピソードは、数多くある。

 

やり投げ経験のないまま出場した大会で入賞してしまったり、

100mはあの大きさで10秒台。

30mならウサインボルトを上回るスピードで走っていたこともあると

武井壮が言っていた。

 

また以前プロ野球の始球式を行った時には

スピードガンの表示は130キロを超えた。

その投げ方は、まさに素人でアーム式と呼ばれるものだった。

 

アーム式とはひじを使わず、腕のしなりがない投げ方のこと。

 

室伏の投げ方は、

下半身、上半身、腕が一緒に動いてしまうもので良くない投げ方の典型だ。

 

投球はまず下半身が移動し、そのあと上半身がひねられ、

肩→ひじ→手首の順で出てくれば、パワーが伝わり速い球が投げられるのだが、

野球をやっていれば、まずこの投げ方はしないアーム式の投げ方であるにもかかわらず、

野球を続けている多くの人間よりも速い球を投げて見せた。

 

あの体で本格的に投げ方を会得したら、もしくは打ち方を会得したら、

きっと名選手になっただろう。

 

今、室伏は競技者としての境地に達したように、

常人ではわかりえない練習をしている場面をよく目にする。

 

投網をしたりイメージトレーニングに時間を費やしたり。

 

ひとつのジャンルに専心し、その極みに達していると思われる人は

よくその専門のこと以外を研究することで、あらたな感覚を手に入れ、

専門分野に生かしていくという話をよく耳にする。

 

室伏もその境地なので、

凡人には理解しがたい練習を取り入れているように思われる。

 

まだまだ室伏の可能性を楽しみたい。

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

最新情報をお届けします

傑作コラム

TOP