日大三のエース・安田が得意とする球はチェンジアップだそうだ。
左打者の外へ逃げながら大きく落ちて行く。
回転を見ているとシンカーだし、動きもシンカーだ。
実際、安田は吉永に教えを受けたと東京予選の際のインタビューで言っていた。
回転も吉永が席巻したシンカーにそっくりだ。
吉永とはオーバーハンド右腕から投じるシンカーで全国制覇を果たしたかつての日大三のエースだ。
それでも安田はこれをチェンジアップと言っているようだ。
だからこの夏の日大三の試合を伝えるテレビでもチェンジアップと紹介している。
同じような回転で同じような効果を発揮する変化球がシンカーとチェンジアップに分かれる。
変化球は本人が言ったことが球種となる。
大きな軌道を描くからカーブかと思えば、投げる人がスライダーと言えば、スライダーだし、
スライダーと思うような変化球を本人がカーブと言えばカーブだ。
フォークと思っても本人はスプリットと言うし、シュートかツーシームか本人もわからないけど
ツーシームと言えばそうなる。
変化球にはどうしてそう言うかという理由がいくつかあり、同じような球なのに
安田はチェンジアップで吉永はシンカーと言うのは本人次第ということと、効果が一緒ということによる。
打者のタイミングを外し、空振りを取ろうとするというのがチェンジアップであり、
シンカーであるから人によって言い方が変わるのだ。
効果は一緒。
ただ、シンカーの回転をしていないチェンジアップをシンカーと言う人はいない。
シンカーの回転をしているのにチェンジアップと言う人はいる。
つまりシンカーとはチェンジアップと同じ効果を出す変化球だから。
チェンジアップはシンカーと同じ効果を出しながらも回転はどうでもいいからシンカー回転していなければ
チェンジアップとなる。