先日の箱根駅伝では陸上同好会から駅伝部へ転身したという史上初の選手が登場した。
この選手、高校時代はサッカー部だったそうだ。
テレビ中継での紹介では、箱根を走りたいと両親に相談し、一般受験で入部後、同好会から
駅伝部へ、さらには箱根を走るまでに至ったらしい。
陸上のように、走るという単純競技では大学からの転身というのは少ない。
走るという行為は万人がやり、単純なために競技適正は早いうちにわかるもので
人より秀でていたり、うまくいくならそちらが楽しいからそちらの競技へ気が向くものだから。
異端の道をたどってきたり、這い上がってきたり、といった場合、よく雑草と表現する。
最近では上原が有名なのだろうか。
もっと前は鈴木啓示の方がよほど有名だった。
この駅伝の選手も雑草という言い方をしていることをテレビ中継は紹介していた。
這い上がり、という意味では育成出身がよくそう言われる。
千賀は育成から日本代表、MLBプレーヤーにまでなった。
ただ、育成と言っても高卒なら十分エリートだ。
18歳時点で将来伸びるとプロが目をつけるのだから、才能豊かでとても雑草などではない。
千賀は蒲郡高校という無名の学校で、当時は大会に出られるのかどうか、という環境だったらしい。
これなら、よくぞこれほどまでのピッチャーになったものだ、という感想になるが、
それでもピッチャーというのは球を磨くという一点に絞られるので
必ずしも強豪校にいなくてもいい、と思われる。
球を磨くのは一人でできるし、一人で鍛えられる。
打者は投球に対応する立場だからいいピッチャーにあたり、良い球筋を見ないと
技術は向上しない。慣れだ。
ルーキーの清原はオープン戦で打てないでいたところ、プロの壁かと思われたが、
清原は慣れれば打てますよ、と記者に答え、高卒ルーキーとして4番を打ち、ホームラン記録を
塗り替え、新人王になった。
ピッチャーは始まりの立場だから、自分の球を磨くことに没頭すればいい。
それは、体でかくして、トレーニングして、どうやったら速い球が投げられ、
どうやったら変化球を身に着けられ、どうやったらコントロールが良くなるか、を追求する。
ピッチャーがすべきことは速い球、変化球、コントロールの3つに集約されると言っていいだろう。
コンビネーション、配球、裏をかくなどの技術といっても、この3つの何もなければまずはじまらない。
野球経験のない投げることだけに秀でたピッチャーというのが出てきてもおかしくない。