シフトを敷く場合、長打に備えることを守る側はまず考えるものだ。
それでもホームラン打者の時、外野だけにしないのはホームラン打者もゴロは打つから。
その場合のゴロは圧倒的に引っかけた打球が多い。
ホームラン打者はいわゆる反対方向へのゴロは少ない。
ホームラン打者のゴロが引っかけた打球になる理由は、まずホームランバッターのゴロが
どうして起きるか、を考えればわかりやすい。
ホームラン打者はホームランを打つからホームラン打者なわけで、
ホームランになる打球は、強く当て、角度をつけることにより生まれる。
そしてホームランになるには引っぱった打球がなりやすい。
いわゆる逆方向のホームランはそっちの方向へホームランを狙ったわけではなく
投球に合わせた打ち方で生まれた強い打球が遠くに飛んで行ったという場合だ。
こうして打とうとするホームラン打者もいつも角度をつけることはできない。
年間何百打席のうちの数十本がホームランということからも、むしろそうならないことの方が
多いということになる。
角度がつく打球はボールの下をバットの上で叩いた場合に起きる。
逆にゴロはボールの上をバットの下で叩いた場合だ。
強く当て、角度をつけようとしたスイングのタイミングが合った場合にホームランとなる。
ところがタイミングが合わず、自分が思っているより前でバットに当たった場合ゴロになる。
自分が思ったタイミングよりバットが先に走り、ボールがまだ来ていなかったという場合だ。
それは変化球に泳がされたという時だけではなく、
速い球にもわずか数センチ思っているより前でバットに当たった場合でも起こる。
ヘッドが返った状態になり、ゴロは引っ張った方向へと転がることになる。
反対へはゴロは転がって行かない。
反対へ行くということは自分が思っているタイミングより手前の時であり、いわゆる
詰まった状態のことだから、ボールが先に来てしまい、スイング軌道が間に合っていないという状態だ。
そうなると詰まった打球というのは、ホームランになるタイミングの時のボールの下を
バットの上でという状態のさらにバットの上ということになるからフライとなる。
あるいはファールとなる。
もっと遅れれば空振りだ。
だからホームラン打者のゴロは反対方向には飛ばず引っかけた打球ばかりとなる。