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ホームランを狙うバッティングは紙一重

ホームランを打たなきゃいけないとなるとミスショットが増えるので、打率は必ず下がる。

数年前、三冠王を期待されたシーズン中の坂本はホームランバッターではないので、

ホームランを狙う打席は少なかった。

坂本はセンター前を意識していると言っているのに、ホームランダービートップ

にまで一時、躍り出たということは、狙ってはいないのにパンチショットで

オーバーフェンスできているということになるのだろう。

ホームランバッターがやる、角度をつけて飛距離を出すということをしなくていいことになる。

アベレージヒッターが少年野球のグラウンドで打っている状態だ。

ホームランを狙うバッティングは、紙一重の失敗が生じる。

数ミリの違いがホームランとフライアウトという雲泥の差となり、紙一重なのだ。

だから打率や出塁率を上げようと思えばヒットを狙った方が確率は高くなる。

そうすると今度はホームランが出ない。

ホームランを狙うことが許されている打者の方がホームランの数を増やすには圧倒的に有利だ。

つまり毎打席、凡打してもいいからフライを打とうとする打者が有利になる。

落合が言った、“打率だけ狙えば4割打てる”というのも、イチローが言った、

“2割2分でいいなら40本打てる”というのも、3つを並び立たせることの難しさを表している。

大谷のように体が大きくなると、ホームランを狙いに行かなくても打てる。

一時代前の松井は、まさにそういう打者で当時は一人先んじていた。

落合が三冠王になっていた時代は、狭い球場だったということと、

飛距離をもつ打者が少なかったということと、変化球の少なさが味方したと言えるだろう。

それでも、体がでかい外国人を抑えて三冠王は実力の証だ。

王のホームラン量産も変化球が少なかったことにより思い切り狙えたということが大きい。

引っ張ることだけでホームランにしようとしていたのは、変化球が少なかったからできた芸当だ。

一人特別な飛距離を持つ突出した打者だった王が、変化球が少なく、

球場が狭い時代だったということがホームラン量産の背景にある。

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