野球は9イニング、27個のアウトの中で自チームと相手チームの実力、趨勢を計り、1度多く
ホームベースを踏もうとするゲーム。
したがい、その日の試合展開を見ながら、有利になるよう作戦を施す。
勝負事はみな、相手より有利なポジションに身を置くよう戦略を立てながら進めるものだが
不利にしないゲームでもある。
むしろ自分の有利より、相手の有利にさせないことを優先する。
相手の有利にさせないとは、自分を不利にさせないということだ。
柔道の組み手争いは、自分が取りたい位置を探る一方、相手に取られてしまったら、
その時点で自分が取ることができなくなる上、相手には投げるチャンスを与えてしまう。
相撲の差し手争いは、自分の得意の形にして勝とうとする一方、それ以上に体のでかい相手に上手
など取られてしまってはその時点で勝負ありなので、下手を取ることより上手をやらないことを
優先しておっつけやはず押しをしたり、腰を引いたり、回り込んだり、逃げ回ったりする。
将棋では自分の駒の一部を取られてもいいから、捨て駒をつくって後のチャンスをうかがったり、
網を張ったりもする。
先のサッカーワールドカップで日本が決勝トーナメント進出のために試合終了間近にボール回しの
作戦に賭けたのも、その種のひとつに入ろう。
泥棒は、盗みに入るとき、盗むことよりも逃げ道を確保することに神経を使い、そちらを優先するそうだ。
捕まってしまえば、盗んだとしてもそこで全て終わるが、盗むことができなくとも逃げられれば
次にチャンスが生まれる。
つづきは明日へ。
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