今大会、3敗を喫し、世界一を目指しながらも、程遠い結果となったU-18日本代表。
だが、1試合ずつ見てみると、アメリカ戦であわやコールドという予想外の勝利、
台湾戦は勝ち越し点を獲られたところで、雨天コールド。
韓国戦は、もらったと思った試合を明らかな自滅で取りこぼし。
オーストラリア戦の完敗以外は好試合を演じたともいえる。
そこで、選手選抜の方法に言及してきたわけだが、代表となると、知名度やバッティングを
重視しがちだ。
これは、やっぱり攻撃偏重の意識浸透がやる方にも見る方にもあるから。
守りがうまくなくとも打てる選手がいい選手であり、守りがうまくとも打てなければ
評価されづらい。これまでのプロ野球のスター選手と言われる選手で
打てないでスターになった選手はいないし、逆に打てさえすればスターとして
見てもらえる。
また、そういう見方があるので選ぶ側が無難をとる。
奇抜な選抜をして、負けようものなら大きな批判にさらされるから。
内野手、とりわけショートの選手が多く選抜され、内野手やピッチャーが外野を
守り、各ポジション内外野ともに本職でない選手が守備に就いた。
高校野球のトップレベルの内野手なら外野もできるという見方によるものだ。
だが、日本中から選手を集めるのなら、本職のハイセンスの外野手だっているはずだが、
そこは打撃や知名度を優先したのだろう。
そして外野守備への軽い見方がまだあるからだ。
この傾向はトップ代表にも見られる。
プロの1流選手をピッチャーとキャッチャーを除く、
たったの7人がポジションに就くと考えれば、
7人くらい、バッティング重視や守備に目をつむって選出する必要はない。
オリンピックで2度の落球をしたシ゛ーシ゛ー佐藤の例は顕著だ。
普段はレフトを守らない佐藤の凡ミスで致命的失点をした。
これにより、佐藤はかなりの精神的ショックを背負うことになったが、責任は
使った監督にある。選手は一生懸命プレーする責任を負うだけで、勝敗の責任、
ミスの責任は使う監督にある。たとえ、佐藤のようなイージーミスであろうと、
監督が使わなければ、そうはならなかった。使った監督に能力が足りなかったのだ。
今の代表では筒香がレフトを守ることが多い。
しかし、プロの1流を7人選ぶのに
アマチュア以下の守備である筒香を守らせる必要はない。
他の1流がいる。筒香にはここぞの一振りに賭けるか、DHで使うしかない。
これも攻撃偏重、守備には目をつむるという発想からだ。
今回のU-18の左打者偏重の打線では、左ピッチャーが出てきたらヒットは重ねられない。
まして、ナイターがある大会だ。左打者は左ピッチャーの球は見にくい。
左右の打者をまんべんなく選出しなくてはならない。偏重だけはだめだ。
その左打者を重ねた打線も顔ぶれは強力なものではなかった。
打線での顔ぶれはこれ以上のものは全国を探しても望めなかったかもしれないが、
それなら得点することが難しいと判断できる。
それでいて本職が守らない守備陣と言うのだから、
どんなチームを目指したのかはわかりづらいものだった。
結局、知名度に偏ったのだろう。
実際、台湾戦では捕れる外野フライを急造外野手が頭を越された。
韓国戦でも自滅と言える石川と林のエラーが致命傷となった。
しかも、ナイターがある大会で急造外野手は心もとない。
外野手のミスは大量失点につながり、ひとつのミスは勝負を決める。
バッティングはノーヒットでもやれることは他にもあるし、相手も成功確率は低い。
野球は点取りスポーツではなく、点をやらないスポーツだ。
バッティングの成功は3割。それもヒット1本では点にならず、連打の確率は
さらに下がる。スコアボードに記される点数はどんな大会でも0が圧倒的に多い。
野球は、相手より一度多く、ホームベースを踏む、あるいは相手に自チームより
一度ホームベースを踏む回数を少なくするというゲーム。
偏ったポジションの選手が集められたこと、左打者が多かったこと、左ピッチャーが
2枚だけだったこと。
そして、左ピッチャーが出てきても左打者が上位を占めていた打線が、
右ピッチャーとなった韓国戦に右打者の西がいきなり5番に座るという首をかしげたくなる
起用があった。
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