今年は交流戦が行われない。
以前、交流戦には首脳陣が神経を使っていた。
2周りするかつての多かった試合数では、交流戦の成績がシーズンを決めると言ってもいいほどだった。
交流戦は、その名の通り、対戦が少ないチーム同士がやるので情報量としては少なくなる。
交流戦に首脳陣が神経を使う理由は、ここでの連敗がシーズンの決定的な差になるということ。
交流戦では、同一リーグのチームと対戦はないわけだから、直接対決で倒すことで
ゲーム差を一気に縮めるということができない。
だから、とにかく、他の同一リーグのチームが交流戦で連勝しているようだと、
こちらも負けられないということになる。
一方でパ・リーグの実力が上回る近年では、たとえばセ・リーグのチームがパ・リーグの各チームに敗けるとする。
するとセ・リーグのチームとしては、皆が負けるので、連敗をしてもリーグの順位が落ちないことになる。
大きな連敗したとしても他のセ・リーグ球団が負けるので、リーグ戦の順位が落ちないのだ。
逆にパ・リーグのチームはこの交流戦を取りこぼすとリーグの順位で水を空けられることになる。
リーグ戦で下位に低迷しているチームは、ここで弱い相手に星を稼いで、
できれば、他の同一リーグのチームに取りこぼしてもらって、ゲーム差を縮める契機にと願う。
ここでの連勝、連敗が、同一リーグの差を広げさせ、この時点でシーズンの趨勢が決まってしまうということになる。
したがい、各チーム首脳陣は神経を使う。
以前はこの交流戦で星を落とし、リーグの優勝戦線から脱落するという現象があり、
とても気を使う時期であったが、交流戦の数が減り、影響は減った。
そして、今年はなくなることで、この神経は使う必要がなくなった。
パ・リーグが強い最近は、セ・リーグのチームがここで黒星を重ねる。
すると、セ・リーグにはシーズン勝ち越しチーム不在となりかねない。
さらにその全負け越しチームしかいないセ・リーグ3位チームが
セ・リーグ代表として日本シリーズに進出し、セとパの実力差が開いているのに、
日本シリーズの短期決戦でセ・リーグが日本一になるかもしれない。
パ・リーグに行ったらAクラスにすら入れないセ・リーグのチームが優勝してしまうかもしれないのだ。
明らかに実力があるチームが優勝チームでないという、もう、どこが本当に強いチームなのかわからないという現象だ。
逆に、セ、パの差がはっきりして、ほとんどパ・リーグのチームが勝ち、セ・リーグのチームが
敗けるとなる傾向が強まれば、気を使う必要もなければ、セ・リーグ球団としてはパリーグの球団には負けても平気、パ・リーグ球団としてはセ・リーグには勝つから平気、
などの意識が生まれかねず、交流戦の意味が全くない仕組みになる可能性すらある。
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