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邪魔なランナーをどう使うか タイブレークの必要のないランナー

今日の関東大会では昨年のセンバツチャンピオンの山梨学院が登場し、タイブレークの末、

初戦を突破した。

ただ、表の山梨学院は10回表を0点に抑えられ、裏の守りは一死二、三塁を作られ、

二死とした次の打者はくそボールもくそボールの球を2球続けてストライクと言ってもらって

三振となったラッキーだった。

ボール3つから4つも外れた球を2球続けてストライクという判定はさすがに相手の昌平高校は不運だ。

 

接戦になるほど野球の実力で勝敗が決まらず、審判が決めてしまうのが高校野球。

あまりにひどい判定に声が出てしまう。

 

タイブレークは表を0点に抑えた裏のチームは一死三塁を作りたい。

本当は一、二塁ではなく、ランナー二塁ではじめる方が攻撃しやすい。

それは一、二塁でのバントとなると、フォースプレーになり、決まりにくいからだ。

一塁ランナーは邪魔になる。

 

だからダブルスチールやエンドランの方がいい作戦かもしれない。

エンドランだと空振りして三塁で殺されても二塁にランナーが残る。

これなら一、二塁からのバント失敗、三塁封殺と変わらない。

 

バットに当たればエンドランの場合、ゲッツーの確率は下がるから

二、三塁か一、三塁の形ができる。

とにかく右方向へ詰まったゴロを打つのが一番いい。

一、三塁か二、三塁をつくることができる。

 

バントの成功確率の低さを選択せず、ダブルスチールや狭殺プレー誘発で、二、三塁か

一死三塁の形をつくることも考えられる。

一塁ランナーが殺されるようにして、二塁ランナーをなんとか三塁まで進めるのだ。

 

通常のイニングならランナーが多いことは攻撃側のプラスだ。

しかし、タイブレークの表を0点にした場合、裏に限っては二人のランナーは守備側にプラスとなる。

接戦の終盤に塁を埋めるとか、満塁策とかと同じ効果なわけだ。

 

タイブレーク制度とは、決着がつかない戦いに、なんとか終止符を打つために
取り入れている制度だ。

そこには時間の短縮や選手体力への配慮といったことが理由にある。

 

いきなり無条件でランナーを与える仕組みに、本来の野球でないという見方がある。

本来の野球ではないということはその通りだが、野球は9イニングでの勝負をルールとしており、

タイブレークは延長戦で採用されている。

 

その名の通り延長なのだから、この時点で正規を逸脱している。

9イニングやって、勝負がつかないのだから、もういいだろう、という仕組みなわけ。

いわば延長というおまけなのだから、なにかしらの決着方法を求めれば、この制度も理屈に合う。

 

ところが、早く決着させるための仕組みなのに、星稜ー智弁和歌山では、この仕組みのせいで

早くに決着しなかったという皮肉が見えた。

 

奥川がエースだったこの時の試合、智弁和歌山も星稜も全て、ランナーを進められずに送りバント失敗だった。

決着は14回裏、バントが決まらなかった星稜にサヨナラホームランが飛び出してのものだった。

 

ランナーを進めようとする両チームが、ことごとく失敗し、結局、ホームランという

飛び道具で決着したということは早く決着させるためのタイブレークの意味が
なかった、という試合だ。

 

ホームランは展開により生まれるので、ランナーが一、二塁にいなければ、バッテリーの攻め方は変わり、

ホームランは生まれていなかったかもしれないからタイブレーク制度が生んだという

細かいことは置いておいて、ランナーは関係なかったという見方は成り立つ。

 

大量点にはなりにくくとも、ランナー二塁で始めることが、得点は入りやすそうだ。

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