鳥谷の盗塁成功確率が高かったから敢行した。
確率の高いプレーを選択し、実行することは当たり前だからギャンブルにはならない。
第3回WBCのよく取り上げられたプレーだ。
もちろん確率が高くとも選択しないプレーはある。
この時の、1点ビハインドの最終回2死から盗塁で打開しようとする作戦は一般にはリスクが高いとされるので、
ギャンブルと捉える向きがあった。
しかし、1点を追う最終回では、点を獲らなければ終わりだから点を獲るのに確率の高い戦法をとる。
打者の成功確率は高くて3割だ。その3割の好打者が並んでも3割だ。
打つことこそギャンブルの連続なのだ。
その時の調子、右対左、4打席目、球場など定量、定性要因を加味して選択する。
鳥谷が一塁で還すなら長打が必要だ。そうでなければ連打が必要となり、連打の確率は3割をゆうに切る。
実力拮抗の勝負は確率の選択だ。
その確率の選択を9イニング積み重ね、それを間違えるから負けることになる。
打てないピッチャーに打ちに行くから負ける。
球数投げさせ、フォアボール狙いに切り替えることも打棒だ。
無謀、無策、バカ頭で攻めることを積極とは言わない。
考えた戦略を駆使することを消極とは言わない。
確率の低いことにかけて挑む事を積極とは言わず、確率を考えて打たない選択をすることを消極とは言わない。
空を飛ぼうと屋上から飛び出すことを積極とは言わない。借金して競馬で増やそうということを
積極とは言わない。
ツーストライクと追い込まれてもホームランを打とうとする広沢に古田は追い込まれたら
フォアボールを狙うバッティングをしていることを告げる。
無策の広沢と気づいた古田の実績は推して知るべし。
確率の高いプレーの選択ができることがチームを勝利に導くプレーヤーであり、
それを一方向に考えられるチームが戦う集団。