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高校野球秋季大会 神奈川決勝 横浜VS慶應

夏と同じ顔合わせとなった昨日の神奈川秋季大会決勝、横浜VS慶應。

夏は横浜の力が大きく上回っていたが、新チームになりその差はなくなった。

総合力で横浜は、全国でもトップレベルの夏だったが、この秋の新チームになり

藤平、石川の2枚看板が抜け、1年生が多くメンバーに名を連ね、まさに新チームとなった。

慶應は夏を経験した選手が多いので、夏の実力差が一気に縮まった。

むしろ上回っているとも見える。

優勝へ大チャンスと思い、注目していた慶應がその通り決勝まで進み、

神奈川制覇からセンバツへ大チャンスの秋となった。

 

決勝戦は両チーム関東大会進出を決めているためか、エースの先発を回避。

横浜は20番の左腕樋口 、慶應は10番の左腕生井。両一年生左腕が先発となった。

 

初回に先制した横浜だったが、すぐにその裏、慶應が追いつく。

さらに2点を追加して慶應が2点リードした。

この失点シーンで セーフのタイミングなのに、無理にバックホームして

うしろの走者の進塁を許す横浜外野陣。

最近のこの場で何度も記してきたことだが、

間に合わないことがわかっている場面で刺しに行くことが致命傷となる。

1点をあきらめてでも後ろのランナーを先の塁にやらないということが大事。

横浜高校のように力があるチームは、序盤から勝負に行くより点差を離されないことが大事となる。

1点を惜しむより、1点やってでも追加点をやらないようにすれば、後半に勝負を持ち込める。

どんな状況でも内野の頭の高さに投げ、カットまで返すことをしないと勝負どころのミスにつながる。

一方的な試合へと導きかねない。

勝負は一つの塁をやらないということ。一つの塁を許すことが、結果、試合の大差につながる。

無茶な返球が許されるのは、サヨナラの場面くらいのものだ。

 

中盤、横浜が底力をみせ、ホームランで同点に追いつき、中盤から終盤へ向かう。

 

両チームとも、いまだエースは温存。慶應は生井→渡邊とつなぎ、

一方横浜は、樋口→増田→万波とつなぐ。

横浜は増田、万波という野手まで登板させてきた。

 

そして終盤、慶應はスクイズで1点勝ち越したところで、エース森田をマウンドへあげた。

しかし、ワンアウト2,3塁の7回表。ショートゴロの間に同点となる。

この時の慶應ベンチの外野への指示は頭は越されるな。

大きく監督がジェスチャーで指示していた。

内野は中間シフト。

同点はいいから大量失点を避ける作戦をとったわけだ。

真正面から勝負を挑んでも勝てる感触があったから同点に追いつかれても

もう一度、勝ち越せると思ったのだろう。この作戦は、セオリーだ。

 

同点に追いついたところで横浜も満を持してエース板川をマウンドへ。

両チーム、エースの先発回避をしたが、終盤同点の振りだしになったところでエース同士の対決へ。

ここからがよーいドンの勝負となった。

すると、また慶應が下山のタイムリーで勝ち越す。

1点もやれなくなった横浜は前進守備を敷くもスクイズでもう1点追加。タイムリーで3点差。

 

8回、先頭に死球を与えた慶應・森田。

3番増田を迎え3点差あるのでベンチの外野への指示は先ほどと同じく頭を越されるな。

前に落ちるのは仕方ないというもの。

すると三塁横を破るレフト前ヒット、1塁ランナーは、スタートを切っており、

深い外野ゆえに3塁は悠々セーフ。

ノーアウト1,3塁と絶好の場面で4番・万波は内野フライ。

つづく5番福永、6番山崎と凡退。この時、福永はボール球をストライクとされ三振。

山崎は2球目のボール球をストライクとされ、追い込まれたためボール球に手を出しての凡退だった。

一球のストライク、ボールの判定が展開に影響し、勝敗に影響を与えてしまう。

 

昨年の秋から神奈川30連勝中の横浜を下し、慶應が神奈川を制覇した。

秋は8年ぶりの優勝となった。

 

万波は身体能力、パワーは優れているのだろう。脚は太いし、背も高いパワフルだ。

しかしその体を持て余しているよう。

詰まったり、先にあたったり特に詰まる傾向が強い。芯でとらえた打球が少ない。

1打席目は強打者によくある顔付近の球を下から振って三振していた。

バランスの悪い打撃で軸で回れていないようだ。

 

横浜の投手陣は、夏までの藤平、石川のような強力な投手がいない。

投手の育成が急務だ。

この日は、増田の球に慶應打線は一番合っていないようだった。

球の力も増田が一番あったように思う。夏までに今の投手陣のレベルアップがはかれなければ

増田をエースに育てる可能性が高いという所感。

 

両エースが先発回避したが、7回には4-4となり、結局両チームがエースをマウンドへあげ、

さあここから本当の勝負と、筋書きがあったかのような神奈川決勝の野球ドラマだった。

両監督が持てる駒をうまく使い、おもしろいドラマを演出した。

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