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野球で敗けているくせに怒ったって負け犬の遠吠え

青木は以前から死球が多い打者だ。

以前、青木の死球で印象深いシーンがあった。

 

青木死球の次打者・山田の打席で広島ベンチから「もう一発!」という声が届き、

ヤクルトベンチが色めき立ちホームベース付近で口論となったシーンだ。

この時の試合、死球時点では13点差で広島リードだった。

 

人道で考えれば、当てておいてもう一発はないだろう、ということになるのだが、

プロの勝負師の戦いということで見ると、負けている方がぶつけられて怒ってもかっこ悪い。

怒る前にプロらしい試合を見せてからにしろ、とも言いたくなるものだ。

広島からしたら、野球がうまくなってから文句言ったら?ということになる。

負け犬の遠吠え。

 

おそらくヤクルトの選手は率先して怒る気にはならなかっただろう。

先頭に立って向かって行ったのは首脳陣だった。

首脳陣としては威嚇のような態度の相手を放っておくことは自チームにおける

自分の立場を弱らせしめる、ということから飛び出さなければならない。

しかし選手は大差をつけられていて、ファンに申し訳ない、恥ずかしい、という気持ちがあるはずだから

怒るにも怒れない。

むかつくけど、俺達怒る立場にないよな、と。

 

実力の差に格差が激しい高校野球にはもっとあからさまの行為がある。

高校野球では実力に格差があるので名門校に対する劣等感をもつチームは

ヤクルトのように怒るということに一歩退いてしまう。

本業の野球で力が及ばないのに、怒るにはばかるわけだ。

そして、名門校は体格がいいのもあるし、野球に対する優越感があるので

プレーや試合以外の所でも威圧してくる。

 

今ではだいぶ少なくなったが、ベンチからの野次や挑発、威圧の類は常用だった。

相手に対して「てめえ」「お前」「バカ」「ヘタクソ」と投げかける。

接触するプレーがない野球ではマウンドから、打席から、睨みを効かせランナーに出れば、

近くの野手にケンカ腰で迫る。

 

接触の機会があるベース付近ではスライディングで相手にぶつかりに行くし、

タッチの際は殴るように痛めつける。

チェンジの際、ベンチに下がる時はすれ違いざま拳を入れたり、脚を引っ掛けたり。

強豪チームになるほど野球は戦闘の意識があるので練習試合に招いた相手の控室に

いやがらせをしかけたり、試合後は実際に殴ったりまであった。

 

そして名門が敗けるなどということになると、練習が厳しくなるので報復として帰り際に殴る。

監督もそんなことが起きていることは知っているが、強豪とはこういうものと

相手に認識させるために黙認していた。

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