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格下チームへの賛辞Ⅱ

先週の金曜日のつづきだ。

 

私が観てきた予選の中でとても印象に残った

東東京ベスト4の篠崎高校の戦い。

 

この間、篠崎高校が好投手を2枚持っており、

都立高校では珍しいことだと言った。

 

特に10番のピッチャーは私立名門校でも

エースを張れるほどの実力者だと言ったのだが、

その後の情報で

 

その10番のピッチャーはもともと帝京に入学したそうだ。

怪我で帝京を辞め、この篠崎高校へ入学し、

また野球をやり始めたそうだ。

 

なるほど、あんなに良いピッチャーが都立の10番なのは

こんな理由があったのか。

 

初回に2点を失った篠崎高校は、3回にも1点を失う。

 

しかし、3回の攻撃では満塁のチャンスをつくる。

1本は出なかったが、四球をからめ粘りを見せる。

 

その後、10番のピッチャーに継投し、彼は、

名門・日大豊山を実力で抑えて行った。

 

私は、日大豊山戦が始まる前、篠崎高校はどちらが先発マウンドなのか

注目していた。

 

10番のピッチャーを先発させた方がおもしろいのでは。

10番のピッチャーから行ってくれと願う気持ちでいた。

 

しかし、先発はエースナンバーのピッチャーだった。

チーム事情でできなかったのだろうか。

 

3回以降失点しない篠崎高校だが、

相手ピッチャーを打ち崩せない。

 

それは、それでいい。

野球名門校から打って勝とうとしても無駄だ。

 

この日見せた篠崎高校のように四球を奪い、

一つ先の塁を奪う姿勢が大事だ。

 

終盤、満塁のチャンスをつくり、3番バッターが

追い込まれながら食らいつき、フルカウントから高めのスライダーを

ライトへ持って行った。

 

最高のバッティングだった。

 

ライトのビッグプレーに阻まれ、点を奪うことはできなかったが

すばらしい姿勢だった。

 

そして、最終回2死からキャプテンがヒットを放ち、望みを捨てない。

 

最後は、日大豊山の前に力でねじ伏された格好だが、

好ゲームだった。

 

こういう試合を強豪へ立ち向かう教訓にしてほしい。

 

メンバーが代わり、2枚のエースをもつことは、今後は難しいだろう。

しかし、先輩がつくったこの粘りのチームを

今後、後輩がどう受け継ぐか。

篠崎高校に注目したい。

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