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一瞬のプロの攻防 その判断が勝敗を分ける

火曜日の横浜-広島戦でプロらしい攻防のあるプレーがあった。

 

同点の5回、横浜の攻撃。

ノーアウト1塁に桑原という場面。

 

打席の石川の打球はヒット性の当たりで1,2塁間に飛んだ。

 

実況も

「1,2塁間を抜けて行っ・・・」

と言いかけたところ

 

菊池が相変わらずの守備範囲で横っ飛び、抜けるのを阻止した。

 

打者ランナーは左打者で脚がある石川のため

1塁で刺すことはできない。

 

1塁ランナーは3塁を狙う。

 

好捕した菊池は起き上がると迷わず3塁へ放った。

誰もが抜けたと思ったこの打球に、3塁を狙っていた桑原は

2,3塁間の1/3以上行っているあたりであわてて2塁へ戻る。

結果は、石川の2塁内野安打、ノーアウト1,2塁ということで落ち着いた。

 

菊池は同じようなプレーで亀井を刺したことがある。

この時、亀井は菊池が捕ったとは思っておらず、

ライトからの返球で刺されたと思っているようだった。

 

この時の3塁を狙うランナーは背中でプレーが起きており、

自分で確認して、行くか、戻るかの判断はできない。

菊池はギリギリのところでグラブに収めており 、

桑原は「もしかしたら菊池が捕るかもしれない」という頭はあるものの

抜けていたらそのまま走っていなければならない。

スピードをゆるめてはいられないのだ。

 

そこで頼りになるのが3塁コーチだ。

 

横浜の3塁コーチ・上田は菊池の守備能力と

桑原の走力を頭に入れ、ぎりぎりの一瞬で指示が出せるよう

身構え、桑原を粘って、引っ張って1/3を過ぎたあたりで

「戻れ!」の指示を出した。

 

桑原もその指示に反応よく、すぐさま2塁へ戻った。

 

守る菊池の1流のプレー、

走力のある桑原のベースランニング

行くか戻るかぎりぎりで判断し、指示を出した上田。

 

3人がプロフェッショナルのプレーをした見ごたえのあるプレーだった。

 

菊池としては、立ち上がってすぐに送球せず、

もうワンテンポ待ってから3塁へ放るか、2塁へ放るかをしていたら

狭殺プレーにもっていけただろう。

 

ぎりぎりのプレーで菊池を責めることはできないが、

菊池ほどのプレーヤーなら殺したかっただろう。

悔しいにちがいない。

そのあと、失点をしているだけに。

 

これとは対照的に横浜は、走塁で下手くそなプレーをした。

それを紹介したのは4/17のコラムだ。

 

それについて振り返るのはまた次回としよう。

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