大谷は、いわゆる二刀流ができることを証明したと言うより、
むしろあらためて無理を証明したと言える。
故障せず、また今年以降も従来通りのプレースタイルを続けるとしたら
ピッチャーとしての能力発揮のために走塁には制限がかかる。守備にはつかない。
野球選手としての能力に制限がかかる。
走塁に制限なし、守備にもつくとなったら当然登板回数は減る。
ピッチャーを優先すれば、当然打者としてホームラン王はない。
ピッチャーをやらない今季は、どんな打棒を見せるか楽しみだし、今日の時点で
すでに盗塁4つだ。
大谷は打者としては超一流になった。
ピッチャーとして、そう認識している人は少ない。
本来能力発揮を期待されたのはピッチャーだったが、そちらではなく打撃の方でいち早く世界一になった。
大谷でさえ長いシーズンをフルに能力全開して他を圧倒するのは無理なのだから
両方をやることがその選手にとって良いこと、また、チームの勝利への貢献になること、については疑問がつき、
そしてさらにそれを続けて行くことは無理と判断できる。
もしくは超一流ではない兼任選手が誕生する。
シーンにおいてピースとなる兼任選手ならチームも重宝するだろう。
現に、ユーティリティプレーヤーは過去に何人もいた。
そういう選手ならつぶれても代えが効くし、一方がダメになれば、ダメになるのはピッチャーとしてだが、
野手専念に切り替えればいいだけだ。
超一流の能力を多方面で持ったがゆえに、その能力を使いきれなかったとも言え、
ピッチャー・大谷としての全開は見ることがない。