今日は10月19日。ということはいわゆる10.19。
32年前、昭和最後のシーズンとなったこの年。
この日は野球史に残る名勝負となった。
1988年、昭和63年のシーズン、黄金期だった西武が夏場まで首位を独走。
そこから近鉄が猛追し、一時は逆転首位にも立った。
0.5ゲーム差の2位でこの日を迎えた近鉄は、0.5ゲーム差ながらダブルヘッダーを連勝しなければ
逆転優勝はないという状況だった。
すでに全試合を終えていた西武はその結果を待つ。
10.19ダブルヘッダー、第一試合終盤、同点の近鉄は延長戦はないという規定のこの試合で
9回までに勝負を決めなければいない。
そして9回、ベテラン淡口のフェンス直撃2塁打に近鉄ベンチはチーム1の俊足、佐藤を代走に起用。
鈴木貴久のライト前ヒットに3塁コーチは手を回すが、三、本間の真ん中くらいまでしか
行っていないところで返球はキャッチャーに戻ってきていた。
普段だったら、回していないようなタイミングだったが、冷静さを失っていた近鉄は
1点を獲るために必死になってしまった。
メガネをかけた佐藤は挟まれて、メガネごと顔面が土にまみれた状態でタッチアウト。
高校野球のようだ。
鈴木貴久は若くして亡くなっている。
2死で2塁となって打席にはこのシース゛ンで引退を決めていた梨田。
これで凡打なら現役最後の打席となる。
梨田は執念のセンター前ヒット。
2塁から突っ込んだ鈴木貴久はタイミングアウトだったが、逸れた送球をキャッチしたキャッチャーの
タッチをかわして倒れ込みながらホームイン。
近鉄が崖っぷちで勝ち越す。
中西ヘッドコーチがでかいケツを揺らしてベンチから飛び出してきて鈴木に抱きつく。
この日の2試合はプロがヒットにいちいちガッツポーズ、1点獲っただけで抱き合って喜ぶ、という
新鮮なシーンが繰り返された。
明日へ。
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