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青春を爆発させる2020年高校野球

東西それぞれの東京大会で西は東海大菅生、東は帝京が優勝を決めた。

これで甲子園があれば、それぞれが代表として甲子園出場となるのだが、

今年は東西決戦という形で東京チャンピオンを今日決める。

東西共に9回裏ビハインドだった菅生と帝京が追いついき、延長でサヨナラ優勝を決めた。

決勝打も共に5番の右打者の外野の頭を越すヒット。

両チームともタテジマのチームであり、東西決戦はタテジマ決戦となる。

 

帝京は、準決勝でも8回に同点に追いついた。

1死満塁で、代打の選手がツーボールから差し込まれたファールを打つと、前田監督は

打てる確率が少ないと見たのだろう、代打の代打を送った。

その代打の代打の選手は、最初に代打に出てきた選手より体が小さかった。

この時点で、スクイズしに登場したのだろうとわかった。

案の定、代わった1球目にスクイズを仕掛け、同点に追いついた。

決勝では9回裏1点ビハインドからフォアボールで出たランナーの続く5番打者の初球にエンドラン。

1,3塁とした後、次打者のこれまた初球にスクイズ敢行で同点とした。

このビハインドからの同点劇に、前田マジックと各報道は取り上げている。

準決勝のスクイズは見え見えだったし、決勝の初球エンドランは勇気がいるが、

次の打者のスクイズも明らかだった。

前田マジックは、前田知洋という本当のマジックを扱うマジシャンがいることと掛けている。

 

菅生の同点劇は、9回2死3塁から4打席ノーヒットで、この打席も変化球2球を空振りする1番打者に

決めに行った変化球が高めに浮いてのセンター前ヒットだった。

 

この試合、終盤にリリーフした藤井はずーと泣いていた。

悪ガキの面構えなのに試合中からずっと泣き通しだった。

おそらく、同点の9回表に勝ち越しを許してしまって、9回裏も無死1塁で打席に立ち、バントを決められず、

2ストライクからバスターエンドランとなったが、

キャッチャーフライで送れずじまいとなってしまったことが背中に重くのしかかったのだろう。

それでも味方が土壇場で追いついてくれ、延長戦に持ち込んでくれた。

延長に入る前のグラウンド整備中、ブルペンにいたのだが、涙が溢れて、キャッチボールが出来なくなってしまった。

おそらく、責任を感じていた所に味方が追いついてくれたので涙が止まらなかったのだろう。

これからまだ投げなきゃいけないというのに、泣き通し。10回のマウンドでも必死に涙をこらえながら

投げているように見えた。

そして、サヨナラ優勝を決めた後、ベンチに下がってもずっと泣いていた。

 

不遇な立場となり、甲子園がなくなってしまった彼らが、勝負に真剣に取り組み流す涙に

ホッとさせられる。

帝京に敗れた関東一の選手たちは、整列から挨拶そしてベンチに戻るとみんな大泣きしていた。

キャッチャーの選手はうずくまり立ち上がれない。

表彰閉会式の時も泣いている選手だらけで、最後の記念撮影でも涙が止まらない選手がいた。

青春を燃焼してくれているのだと胸を打つ。

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