ヤクルト・小川が最多勝を目標としていた。
数字を目標に置いてしまうと、さらに他の人がその数字を超えてしまえば、なしえない。
他力が大いに影響を及ぼすことを目標にする選手は、目標を見誤っていると感じる。
最多勝、ホームラン王、首位打者を目標にした瞬間、
相手の失敗を喜ぶということを内包することになるからだ。
以前にも記したことだ。
それより、ベストを尽くしたい。
箱根はベストを尽くす。
今の自分には、この区間でこのタイムを出すことができればよい、
今のチームで最もうまく機能するのはどうすることだ、と
チームとして最もタイムを短縮できる選手の配置をし、
それぞれがベストを出してチームの最高を目指す。
その中で勝てるのなら勝つための戦略を施し、
他の力のあるチームに及ばないと判断すれば、今ある最高を目指す。
これでよい。
ベストを尽くすのだ。
一方、
野球は対戦型なので、勝負は1対1となる。
この時点でベストを尽くすのではなく、勝利を目指す。
どうしたらこの強い相手にも勝てるのかと知恵を、絞る。
そして、相手のミスを誘発すべく、作戦をたてる。
1対1の対戦型のスポーツはそれでよい。
それが、ルールであり、仕組みだから。
しかし、個人としては、ベストを尽くせばよい。
小川の最多勝も他の誰かが、中3日で投げ続けられる怪物だったら
それに対抗しなければ達成できなくなる。
そんなことをしたら小川はつぶれることになる。
そこまででなくとも今の野球は、
中継ぎピッチャーが、登板数が多く、たまたま最多勝になってしまう可能性がある。
昔、ヤクルト・伊東は、中継ぎでありながら最多勝を獲得した。
だから最多勝を目指すのではなく、中6日のローテーションを守り、20勝を目標にするとかでよい。
その結果、最多勝ならそれでいい。
ベストを尽くせば問題ないだろう。
そして、チームで勝つためには、小川がローテーションを守り、他の先発陣で誰が15勝、誰が10勝。
そして、チームとしては、○○勝を目標として戦う。
その中で、シーズン中の若手の台頭などに期待して優勝を目指す。
と計算していくものだ。
個人タイトルを目標とした時点で、戦う相手を見誤っている。