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高校野球は失敗を知る時間

高校野球はたとえ公立のいわゆる普通の高校でも野球を第一に、

結果、野球のために通っている生徒は多いもの。

甲子園にしょっちゅう出るチームは選手を集めてくるわけだから、

授業などむしろどうでもいいわけで野球留学の形態であり、授業中は野球のための体力温存で

寝ていることがむしろ、正しい姿勢だ。

 

選手も野球をしに学校に所属しているので、学力を伸ばそうなどと考えない。

そういう思考なら授業を受けても身になるわけがない。

それでいいわけだが、それが高校野球であるのは矛盾だ。

こういうチームは高校野球ではなく、本当は別の仕組みの方がいいはずだ。

高校は野球のためにあるわけではないから。

本当は高校でやる野球は部活動であり、課外授業だから学問の補助の役割だ。

 

しかし強豪校はそちらがメインになるから大きな矛盾であることは間違いないわけだ。

そして多くの時間を野球に費やす高校野球の強豪校だが、

その多くの時間が強くなるために本当に必要というわけではない。

無駄なところはかなりあるもののどこが無駄なのかわからないからとにかくやるという選択をする。

また、高校野球は未熟な生徒を野球にて鍛えることにより肉体、精神を向上させる部活動だから

無駄であっても試練があっていいとされる。

 

それらを重んじる高校野球だから無駄な時間こそが有益となるという意識だ。

合理や効率は不浄とさえ捉えるから、そんなことより苦労こそ大事なのだ。

苦労して勝ち取ることこそ至上。

 

そういう仕組みだから、基本的な考え方は一方向へ進みがちとなり、これを逆流させる、

あるいは止めることさえ難しい。

そのため、努力は裏切らない、練習は裏切らない、などということを妄信してしまう。

妄信でなくとも、たった一度の成功を証拠として信じるようになる。

 

きれいなことだから言いやすいのでそれをやっていれば問題ない、

それをやらなければいけない、と指導者も選手も思い込む。

裏切られていることの方が圧倒的に多いのに。

裏切られているというより、思う通りの成果でないと言った方がいいだろうか。

 

その方が圧倒的に多いのだ。

その中での成功の時は印象に残るからきっとこれが正しいものだ、とまたその不当の一回を求めたがる。

野球で実力をあげるには、あるいは目上の相手に勝つためには、情報、経験、体力だ。

 

練習量では断じてない。

その練習量が全て適切なら練習量に比例して実力が伸びるが、その適切で最善の方法を誰も知らない。

知らないからこそ、量に頼ってしまうとも言える。

やって成果が出れば正しいと思うし、やって成果が出なければ努力が足りない、と思ってしまい、

やらないで失敗するのが怖く、やらなければ不安だからだ。

 

そして、同じことを繰り返しても実力は上がっていかないでだろう。

同じように毎日ノックを受けていても、ここぞ、という場面でのファインプレーには結びつかない。

自転車は一度乗り方を覚えれば、しばらく乗っていなくてもすぐに乗り方を思い出す。

九九は小学校時代に覚えたら、毎日繰り返していないのにいつでも言える。

加減乗除をいつまでも復習する人はいない。

基本や要領がわかってしまえば解いたことのない桁数の加減乗除でもいつでも計算できるのだ。

 

基本が大事だと判を押したように、謙虚、ひたむき、きれいなことを奨励する高校野球では

できていることを毎日のように繰り返しがち。

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