クライマックスシリーズは短期決戦ということで落とせない試合が続くので興行としてはやりたい。
ワンプレーにチームも盛り上がり、ワンプレーにショックを受けるというシーンが
見られるのでファンは喜ぶ。
シーズンだとこうはならない。
プロは140試合以上を戦い、ちょっとだけ勝ち越せばいいから全てを勝とうとしない。
捨て試合をつくっていく。
さらに選手も1シーズンを乗り切ることが頭をよぎり手を抜くことも当然、起こる。
だから、短期決戦はおもしろい。
しかし、140試合以上戦って、リーグ優勝決めたのに
負けたチームが日本シリーズで日本一の権利があるというこの矛盾がしらけさせる。
MLBのプレーオフは、同じリーグでも地区が分かれておりその中で一旦順位を決める。
そして、地区1位とワイルドカードにてリーグチャンピオンを決め、ワールドシリーズとなる。
これならばまだ、意味と理屈がわかるが、日本の場合、狭い範囲でチーム数も少ない中、
リーグ優勝を決めておきながら、日本シリーズ進出チームをさらに決め直す。
昨年は横浜が日本一という称号を得たが、誰も横浜は強かったなど思っていない。
ロッテがリーグ3位から日本シリーズを制した時も、
翌年になって「昨年の優勝チームってどこだっけ?」という事態になり、プロの勝負の重さが希薄になった。
どこが本当に強いチームなのか、印象に残らないのだ。
ペナントレース負け越しのチームが日本一になったり、
リーグ優勝チームにペナントレースで全然勝てなく、クライマックスシリーズだけ
4勝とかいうパターンで日本一になったり、ということが可能な仕組みだ。
これにより、野球レベルの停滞、低下を招いている可能性がある。
長いシーズンの戦い方として、3連戦勝ち越しをめざし、週6戦で4勝2敗なら上等。
そうすれば翌週は3勝3敗で十分。2勝4敗でもまだ5分にもどっただけなので仕切り直せばいい。
しかし、クライマックスがあることにより、ハナから優勝など目指さず、
シーズン通して5割の戦いをするチームもいることになる。
シーズンが始まった春からプロという戦いの集団が優勝を目指さないのだ。
3位に入る戦い方をすると言うこと。
長いシーズンでは必ず山場が来るからそこで勝負をかければいい。序盤は5分で進み、
最低でも先頭集団から離されない戦いをすればいい。
だから捨てゲームを多くつくり、勝ち越していれば計算できるピッチャーを
ベストパフォーマンスができるように休養を与え無理して使うことはしない。
実力で劣っていると思うチームには最初から相手にせず、エース級はぶつけず、
無理して中継ぎ、抑えの主力を出さない戦い方を考える。
最終的にクライマックスシリーズに賭けて、そこで勝てば、日本一もあり得るのだから。
高度な技術のぶつかり合いを避けるという行為が起き、野球の質を落としている可能性があるわけだ。
そして実力が抜きん出たチームは、シーズンの戦いがとても楽になり、
本気で勝とうとして来ない相手に星を重ねていけることになる。
シーズン8割を勝った優勝チームが登場し、そのチームに全敗の3位チームが
日本一となることがあり得る。
また、レベルの落ちるチーム同士で星の取り合いになるので、
弱いチーム同士の方が試合としてはおもしろくなるということも起きる。
2位チームに10ゲーム差、3位チームに20ゲーム差、さらに全球団に勝ち越しているというチームが
リーグ優勝を決めた後、さらにクライマックスシリーズを戦わなければいけないということが起きている。
これらのようにクライマックスシリーズ制度は矛盾に満ちている。


