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パ・リーグ2位が日本一って セとパの差 日本シリーズ第6戦

王手をかけられて、後がない広島は、これまで成功がない盗塁を序盤から仕掛けていた。

開き直った作戦ともいえ、序盤の同点の場面だから思い切って、失敗覚悟での仕掛けだった。

 

4回、無死1,2塁から5戦につづき、内川に送りバントを命じ、

下位へと続く打順でスクイズを選択したソフトバンク。

優勝をもぎ取るために1点を獲りに行った野球。

プロのゲームで連続バントにより点を獲りに行くのは珍しい。

短期決戦ならではであり、勝利への執念と見ることができる。これはベンチが盛り上がる。

スクイズを決めた西田も仕事をやった満足感のある表情をベンチで見せていた。

 

2回までで1時間かかって、慎重な攻防という印象を受けたが、1点が入り、試合が動くと

両ピッチャーにもエンジンがかかってきたようで、テンポが速くなった。

 

8回は、新井が思い出づくりで代打、そのあと守備にも就いた。

高校野球で趨勢が決まると、引退する控えの3年生を代打に出したりするのと一緒。

この時点で広島は白旗を上げた。

 

内川のバントや松田を引っ込めること、スクイズを繰り出し、打順も固定しないという

ソフトバンクがシリーズを通していい野球をやっていたという2018年日本一決定戦。

ソフトバンクはシリーズ男が出てきたというわけではなく、特別、1人が目立ったわけではないのに

1つしか星を落とさず、完勝といった感じだ。

だから6度の盗塁阻止の肩での受賞という珍しいMVPになった。

 

甲斐は肩が強いというより動きの機敏さだ。捕ってからが速い。

盗塁阻止は、速く、強く、正確にという3要素により構成されるが、甲斐は❝速く❞が優れている。

本人が言うには肩は強くないと言っている。それでも甲斐キャノンと称される程、強肩のイメージだ。

それは、あの捕ってからの素早さがそうさせている。体が小さいことが味方している。

体が小さく、脚が短いので素早い送球動作が可能となる。

 

キャッチャーの肩というのは攻撃の幅を大きく狭め、脅威とさせる。

これのおかげで試合展開を変えるから。

 

肩の強さとは盗塁を刺せること。または許さないことを言う。

盗塁を刺せることになれば、チームのピンチを救い、今度は相手が走ってこなくなる。

これが許さないということ。

キャッチャーの肩という無言のプレッシャーは味方には大きな武器であり、相手には大きな脅威となる。

これにより、試合の展開を、自チームにおいては計算しやすくさせ、

相手には作戦を狭めさせるという大きな効果があるのだ。

甲斐はモーションの大きい外国人ピッチャーでも刺してくれるから心強い。

 

セ・リーグを圧勝した広島が、パ・リーグ2位のソフトバンクに完敗の形になった。

広島は初戦の引き分けが痛かった。

誰でも捕れるような菊池のファースト送球を、

プロのプレーとしては信じられない松山のトンネルは話題にならないが、ソフトバンクにとってはMVPをあげたい。

また、丸がブレーキになったか。

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